6月14日は世界献血者デー/最新の献血事情は
6月14日は「世界献血者デー」。安全な血液と血液製剤の必要性を訴え、生命を救う血液という贈り物を無償で提供してくれる献血者に感謝を捧げる日です。ノーベル賞受賞者でオーストリアの医師免疫学者であるカール・ラントスタイナーの誕生日にちなみ、2005年に世界保健総会で決議されました。よく私たちが性格判断や占いに使うABO式血液型は、1900年に彼が発見し、以来、安全な輸血が可能となったのです。そんな世界献血者デーを機に、最近の献血事情を見てみましょう。
少子高齢化で献血が減少傾向
WHO(世界保健機関)によると、献血数は世界中で年約9200万件に上ります。 世界で3人に1人が、一生に1回は献血をするというデータもあります。こうした人々の善意が広まり、日本を含む先進国を中心に世界62カ国において、100%無償献血による血液供給が達成されています。 日本での献血活動は、すべて日本赤十字社(日赤)が実施しており、血液センターや献血ルーム、献血バスなどがあります。献血者数は、昭和後期の約800万人をピークに、2011年度は約525万人に減少。とくに10~20代の献血者が減少傾向にあります。 今後、少子高齢化の進展により、献血が可能な健康で若い人たちが減少し、医療を必要とする高齢者が増えることが予想され、2027年には101万人分が不足する恐れがあるという試算もあります。
人命救助に必須の血液
血液は、体内のすみずみまで酸素や栄養、ホルモンなどを運ぶ大切な役割を担っています。しかし、医療が進歩した現代でも、血液は人工的に作れず、献血が唯一の人命救助の手段です。 わが国では年間約120万人以上の人が、病気やけがのため輸血を必要としますが、その約85%が50歳以上で、主にガン、血液疾患、循環器疾患などの治療のために使われています。2011年に起きた東日本大震災の際にも、献血によって集められた血液が多くの人命を救いました。 もっと若い世代に献血に対する関心を高めてもらおうと、日赤では「LOVE in ACTION」というキャンペーンをはり、積極的にPR活動をしています。