イーサリアムで人気のリステーキングがソラナにも──懸念すべきか
メタマスク vs MEV
正直に言うと、私はMEV(maximal extractable value:最大抽出可能価値)に興味津々であると同時に、本当に困惑している。 大雑把に言えば、MEVはバリデーターが利益を最大化するためにブロックチェーンにトランザクションを追加する順番を変えることだ。私の(おそらく未熟な?)目には、その一部は裁定取引に似ているように見える。TradFi(伝統的金融)における、顧客の取引のフロントランニングのようにも見える。 フロントランニング:金融商品取引業者またはその役職員が、顧客から有価証券の売買の委託等を受けた場合、その売買を成立させる前に、自己の計算において同一銘柄の売買を成立させることを目的として、顧客の注文より有利な価格(同一価格を含む)で有価証券の売買を行うことをいい、金融商品取引法で禁止されています。(日本取引所グループ|用語集) ご想像の通り、MEVが好きな人もいれば(MEVに携わることで、あるいはMEVを可能にしたり、MEVと戦ったりするツールを作ることでお金を儲けている人たち)、嫌いな人もいる。 いずれにせよ、広く普及しているイーサリアムウォレットのメタマスク(MetaMask)は、メタマスクユーザーをMEVから保護するために設計された新機能を導入している。 これはTradFiのダークプールを思い起こさせる。大口注文の発注者に逆らって価格を動かそうとする者から保護するために、注文が執行されるまで注文の詳細が見えないようになっている株式取引プラットフォームだ。 ダークプールを:証券取引所を通さず、投資家の売買注文を証券会社のシステム上でつけあわせて成立させる取引手法のうち、売り買いの希望価格である気配値が提示されないもの。 英語表記「Dark Pool」は「Dark Pool Liquidity」の略称で、直訳すると「見えない流動性」となります。(大和証券|金融・証券用語解説) 暗号資産にはMEVがあり、TradFiには高頻度トレーダーがいる。マネーの世界に新しいものは(ほとんど?)ないのかもしれない。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Cindy Tang/Unsplash|原文:Restaking Is Hot in Ethereum and Entering Solana. Should We Worry?
CoinDesk Japan 編集部