【独自】「渡航前に犯罪認識」 ニセ電話関与の容疑者ら 茨城県警など合同捜査本部 実態解明急ぐ
カンボジアで保護された日本人12人が関与したとされるニセ電話詐欺事件で、詐欺容疑で逮捕された複数の男が「渡航前から犯罪に加担するのは知っていた」という趣旨の供述をしていることが15日、捜査関係者への取材で分かった。現地で何者かにパスポートを渡し、管理されていたという。茨城県警などの合同捜査本部は、12人が何者かの管理の下で詐欺行為を続けていたとみて実態解明を急いでいる。 捜査関係者によると、12人は交流サイト(SNS)などで高額報酬をうたって強盗や詐欺の実行役を募る「闇バイト」で今回の事案を見つけて応募したり、知人の紹介で渡航したりと、複数の方法で参加していたとみられる。 事件を巡っては8月、12人のうち数人が「強制労働に従事させられた」として日本大使館に助けを求め、現地当局が12人を保護していた。また、男らの一部は、同国到着後に「現地の担当者にパスポートを預けた」などと供述しているという。12人はいずれもビザの有効期限内の滞在で、捜査本部は、グループが期限内で実行役を入れ替えながら犯行に及んでいた可能性があるとみている。 捜査本部は10月6日に12人を飛行機で移送し、日本の領空内に入った同7日、同容疑で、同県神栖市、自称配管工、男(43)らを逮捕。捜査本部は、12人が警察官やNTT職員などをかたるニセ電話詐欺事件で「かけ子」役だったとみて、被害の詳細などを詳しく調べている。
茨城新聞社