皇室献上の球根箱詰め 砺波のチューリップ6品種4500個 「一生懸命作った、富山は元気」
砺波市が天皇、皇后両陛下や各宮家に献上するチューリップ球根の箱詰め式は7日、同市大門の県花卉(かき)球根農業協同組合で行われた。今年は近年にない不作となったが、富山オリジナル品種「黄小町」「白雲」など6品種4500個を厳選した。夏野修市長と石田智久組合長が23日、宮内庁に持参して献上する。 5月末の県チューリップほ場品評会で上位入賞した6生産者の球根を選んだ。農林水産大臣賞を受賞した高島宗雄さん(魚津市)の「黄小町」、北陸農政局長賞の清都(高岡市)のオレンジファンアイク、県知事賞の井上博貴さん(砺波市)の「白雲」、県農林漁業振興会長賞の島義彦さん(黒部市)の「乙女のドレス」、県花卉球根農業協同組合長賞の吉岡公成さん(砺波市)の「桃太郎」、同賞の柴田誠一さん(南砺市)が用意された。 天皇皇后両陛下、上皇ご夫妻にそれぞれ1千個、秋篠宮さま、常陸宮さま、三笠宮妃百合子さま、寛仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さまに500個ずつ献上される。箱詰め式では夏野修市長が「献上は産地砺波の知名度に貢献している。皇居、宮家で素晴らしい花が咲くように祈りたい」とあいさつした。市の職員2人が袋に入った球根を丁寧に箱に収めた。 県花卉球根農協によると、今年の球根生産は約870万球で前年比24%減。サイズが大きい一等級の比率が2割を切った。作付面積が前年比8ヘクタール減少の38ヘクタールになり、5月中旬以降の高温や水枯れも影響した。 球根収穫感謝祭も行われた。石田組合長は「今年も生産者が一生懸命作った。富山県が元気です、という報告をしに献上に行きたい」と述べ、生産者減少対策に意欲を示した。 献上品種6品種などは11~14日に砺波市のとなみチューリップ四季彩館で開かれる球根まつり(富山新聞社後援)で販売される。