節約志向続くなかのブラックフライデー、割引品増加やクーポンで「お得感」アピール…九州でも商戦本格化
米国発祥の大型セール「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」にちなんだ商戦が、九州の小売り各社で本格化している。物価高で消費者の節約志向が続くなか、各社は割引する商品を増やしたり、クーポンを活用したりして「お得感」をアピールし、需要の喚起を進めている。 【写真】ミスターマックスが社名に込めた決意
ディスカウント店のミスターマックスは21日、全国の48店でセールを開始した。対象は昨年より2割増の約200品目で、12月4日まで最大5割引きで販売する。需要が大きい家電では、ドラム式洗濯乾燥機を通常より38%下げて税込み17万6000円とした。
10月末にインターネットで先行して始めたセールでは一部商品が完売するなど好調で、「期間中の店舗売上高を前年と比べ1割増やしたい」(広報)としている。
イオン九州は22日、九州内のイオン67店でセールを始める。家計で光熱費の負担が増えていることに着目し、冬物衣料や羽毛掛け布団など防寒や節電につながる商品を前面に打ち出す。三井不動産グループが運営する大型商業施設「ららぽーと福岡」(福岡市)は29日まで、キッチン用品や靴などを最大6割引きで販売している。
集客に向けて各社が力を入れているのが、アプリ会員向けのクーポンだ。JR博多駅ビルを運営するJR九州グループは、ブラックフライデーの「黒」にあわせ、駅の専門店街「アミュプラザ博多」などで使用できる960円の割引クーポンを26日から配信する。
ブラックフライデーのセールは国内でも浸透してきており、小売り各社にとっては、かき入れ時となる年末商戦に向けた「前哨戦」(イオン九州)として消費を盛り上げられるかがカギとなりそうだ。