「北京極光」が人気ワードに 中国北部各地にオーロラ出現
【東方新報】中国北部で冬に入って以降、オーロラが各地で見られるようになった。北京市内でも目撃され、「北京極光(オーロラ)」がインターネットで人気の検索ワードに入った。 最もオーロラが見られるのは、ロシアと国境を接する黒竜江省(Heilongjiang)漠河市(Mohe)。中国最北端の地で「中国の北極」と呼ばれ、オーロラを見ようと写真愛好家や観光客が訪れている。漠河市内にある中国最北端の村はその名も「北極村」だ。 上海から北極村を訪れた李珂(Li Ke)さんは12月1日夜、空を赤く染めるオーロラに遭遇した。「雪や氷の観光で来てみたら、オーロラをこの目で見られるとは。生涯の思い出になりました」と感動した様子だった。 この日の夜は、黒竜江省のほか内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)、さらに北京市の山間部でもオーロラが出現した。北京市内でオーロラが撮影されたのは史上2回目という。 オーロラは、太陽から吹きつける荷電粒子が地球の磁場とぶつかり、磁気圏を乱すことで発生する。中国ではオーロラの発生は少なく、出現しても弱いオーロラであれば地上の光で肉眼では見られない。ただ最近は太陽の活動が徐々に上昇しており、中国北部でオーロラが多く見られるようになった。漠河市では11月から何度もオーロラが発生し、一晩で7時間以上も輝きを放った夜もある。 古代中国では、オーロラは縁起の良い天体現象として考えられていた。オーロラは地球の外側で燃えている炎で、極地は地球の端に近いため、炎が見えやすいという考えもあったという。 ただ、オーロラが発生するということは磁気が激しく乱れている状態で、人工衛星のナビゲーションシステムや航空機の飛行には障害となり、地磁気を頼りにしている渡り鳥にとっても悪影響という。 中国気象局国家宇宙気象観測警報センターは「黒点の数などから考えて、太陽活動の勢いは2024年も続く。この冬は今後も北部でオーロラが見られそうだ」とみている。 空の世界では迷惑な存在となるオーロラだが、地上では別世界へいざなうようなオーロラーショーを待ち望む人が増えそうだ。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。