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イギリス発の世界的インテリアショップ「ザ・コンランショップ」。 創業者であり、デザイナーのテレンス・コンランは2020年に逝去するも、その精神は今もなおインテリア業界に影響を与え続けている。 【全画像をみる】インテリア好きなら誰もが知る「英国発セレクトショップ」。創業者のデザイン精神に迫る展覧会が開催 ザ・コンランショップの日本上陸30周年を記念して、コンランの軌跡を追う展覧会「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」が東京ステーションギャラリーで開催する。会期は2024年10月12日（土）～2025年1月5日（日）だ。

写真で見る、テレンス・コンランの影響力

コンランはロンドンのセントラル・スクール・オブ・アーツ・アンド・クラフト（現セントラル・セント・マーチンズ）で、テキスタイルデザインを学ぶ。ミッドウィンター社に依頼を受け製作した《チェッカーズ》は、パターンデザイナー時代を象徴するシリーズだ。 写真奥のキャビネット《スーマ》シリーズは、コンランが31歳の時に発売した、英国初の組み立て式家具だ。コンパクトで運びやすいだけでなく、すぐに使い始めることのできる、エポックメイキングなアイテムだった。 家具デザインからデザインファームまで、手広く事業を手がけていたコンランは、33歳の時ザ・コンランショップの原型となる「ハビタ」を立ち上げた。 今でこそ商品を高く積み上げる陳列方法は珍しくないが、豊富な在庫を美しく見せる革新的な方法として、他の小売店でも取り入れられるようになった。 1970年までにイギリス全土に広がったハビタは、流行の中心に。当時のショッピングバッグや包装紙のデザインも目を引く。 関連企業の買収にも長けていたコンランは、カタログ販売経験のある会社を買い取り、ハビタで通信販売もスタートさせた。60年代～70年代のカタログは見ているだけでも楽しい。 1973年にザ・コンランショップをオープン。現在のセレクトショップの先駆けとなった。コンランの選りすぐりの名作家具を集めたカタログ「コンラン・クラシックス」は、現在もスタッフたちの“指南書”として受け継がれている。 50代に入ると、コンランはロンドン市内でも数々のレストラン・カフェを手掛けた。会場では、ロゴや内装から、メニュー表、制服、マッチ箱の一つに至るまで、コンランのこだわりを目にすることができる。 モレスキンに残された貴重なスケッチからは、コンランが経営者でありながら、生涯現役のデザイナーであった様子が見て取れる。 亡くなる2020年まで使用していたという、自邸のオフィス。会場のデスクは、オリジナルにインスピレーションを受けて、孫のフィリックスが吉野檜を贅沢に使用して、地元の職人と作り上げたものだ。 生前のコンランを知る業界人や影響を受けた人々によるインタビューを通じて、さまざまなコンラン像が浮かび上がってくる。写真は世界的デザイナー、トーマス・へザウィック。 ギフトショップには、限定トートバッグのほか、コンランの手がけてきた現地の店舗限定のトートバッグも手に入れることができる。 「Plain , Simple, Useful」はコンランの思想が表れた言葉の1つだ。