これが江戸時代のおしゃれアイテム! 江戸流“お弁当箱”の展示も/愛知
徳川美術館(名古屋市東区)では、企画展示「ケータイ美術-もちあるく道具の形と機能-」を開催する。手鏡や小物入れなど、普段から身につけておくと便利な携帯アイテム。同展では江戸時代の人々の間で使われていた「持ち歩く道具」を展示し、当時の文化や歴史を遡る。期間は5月31日から7月21日まで。
手軽に携帯できるアイテムは便利に使えるだけでなく、個性的なデザインによりお洒落のワンポイントにもなる。江戸時代に薬入れとして用いられていた「印籠」はその特徴が色濃く、漆や象牙を使って華やかに装飾されたアイテムがそろう。また当時高貴な女性が好んで携帯していたアイテムとして、布製の鼻紙入れ「筥迫」や手鏡を覆う革製のカバー「鏡覆」を展示。ラシャ、ビロード地に施された豪華な刺繍や、ヨーロッパで制作された繊細なデザインは注目度が高い。
「持ち歩く道具」としての携帯アイテムの他にも、「行楽の道具」として「提重」や「茶弁当」の展示も。これらは行楽に必要な飲食物や食器、当時の文化であった抹茶を点てるための一式をひとつにまとめた便利アイテム。現代で言えば“お弁当箱”の役割をしており、機能と美が一体となった“ケータイ美術”の代表格と言えそうだ。