最高気温10度以下の札幌でウーバーイーツ配達チャレンジ【チャリンコ爆走配達日誌】
2日目が終わった時点で収入は2527円。しかも2日目はホテルにこもりっぱなし。これではなんのために札幌に来たのかわからないので、3日目は車道の雪が溶けた午前3時から配達を始めました。 すすきのは道内一の繁華街。夜中でも配達依頼がくるだろうと待っていると、ラーメン屋から824円の依頼が。雪が残っているとこんなに金額が上がるのかと驚いたものの、いつまでこの高水準が続くのかなと不安に思いつつラーメン屋へ向かうと、店の前にラーメンができ上がるのを待つ同業者の方の姿。話しかけてみると、札幌で軽自動車を使って配達しているとのこと。さらに聞くと札幌のウーバー事情をいろいろ教えてくれました。 「春から秋にかけて昼間の札幌のウーバーは厳しい」 「深夜のすすきのは注文がかなりあるので、札幌エリアで稼ぐなら夜10時から翌朝6時狙いがオススメ。ただ単価は安く、がっぽり稼げるわけではない」 「札幌は軽自動車を使った配達員が多いので、5kmから8kmほどの長距離の配達が多い。自転車で依頼が来ないのは、長距離の配達依頼が多いからと思われる」 そして最後に、こんな言葉を。 「昼間の雷と大雪でウーバーを利用するスイッチが入った。今夜から明日の夜にかけては依頼の数も配達料も爆発的に増える!」 車道からは雪がなくなったものの歩道には中途半端に溶けたシャーベット状の雪。地元の方は冬用の靴を持っているので靴の中に水が入ったり、雪に足を取られて転びそうになったりすることはありません。 ですが、そんな歩道を歩いて外食に出かけたり買い物をしたりするのは面倒とのこと。なので歩道がベシャベシャな日は注文がものすごく増える。配達料も雪が降っている最中はそんなに上がらないものの、時間が経つにつれ上がっていく。これからの24時間はボーナスタイムだと。 「一度ウーバーを使えば利便性にハマる。そして冬の間ウーバーを使い続ける。だから雷と大雪のセットは、稼げる時期の訪れを告げる合図と言えるよね」 なんか大げさなことを語り出したなぁ、なんて思っていたらラーメンができ上がり、その人は「じゃあ、頑張ってね」と私に声をかけ、ラーメンを持って軽自動車へと消えていきました。 2日間札幌にいて2527円しか稼げてないし、ダマされたと思ってここから帰りの飛行機に乗るまでぶっ通しで配達してみようと、すすきのを中心に稼いでみた結果がこちら。 ウーバーは朝4時から翌日の朝4時を「1日」としてカウントするので、最後の1日で稼げたのは3時から4時の939円と、4時から18時までの1万2903円の計1万3842円。軽自動車の方が話された通りのことが起きて、配達の件数、配達料の単価が共に爆上がり。東京で働く以上に稼げました。ただ、初日、2日目がまったく稼げなかったので、トータルでは2万円以上の赤字でした。 おそらく来週以降に札幌へ行けばかなり稼げそうな感じですが、自転車で雪道を走るのは危険です。また札幌市内のレンタル自転車の今シーズンの営業は11月15日で終了するとのこと。なので、自転車を使って1日でこれだけ稼げたのはタイミングが良かっただけ。札幌でコンスタントに稼ぐのは難しそうです。 ちなみに、この雪の影響なのか、予約していた新千歳空港から成田空港へ向かうLCC最終便は出発が1時間20分遅れ、成田空港に着いたのは23時30分。都内へ向かう電車、バスはすべて終了してしまったため家に戻ることができず、ターミナルのベンチでひと晩過ごしました。雪の残る街の中を配達するよりきつかったです。 文・撮影/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明