英労働市場に減速の兆候、失業率が上昇-中銀のインフレ懸念緩和
(ブルームバーグ): 英国の失業率は昨年7月以降初めて上昇した。賃金の伸びも鈍化し、労働市場での減速の兆候があらためて示唆された。イングランド銀行(英中央銀行)が懸念するインフレ圧力をある程度緩和する結果となった。
英政府統計局(ONS)の12日発表によれば、2023年11月-24年1月の失業率は3.9%と、予想外に上昇した。前3カ月は3.8%だった。賞与を除く平均賃金の上昇率は同3カ月に前年同期比6.1%。前3カ月は6.2%だった。上昇率は5カ月連続で低下した。
統計内容は、経済の需要減速を図る英中銀の取り組みによって労働市場が冷却しつつあることを示している。年内利下げの根拠が強まる可能性がある。
KPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は、「今後数カ月の労働市場は減速すると予想している。賃金上昇の勢いが弱まり、夏以降の利下げ観測が高まるだろう」と述べた。
トレーダーの間では英中銀の利下げ観測が加速した。向こう1年間では4回の0.25ポイントの利下げが完全に織り込まれている。
原題:UK Jobs Market Shows Signs of Cooling in Relief for BOE (1)(抜粋)
--取材協力:Andrew Atkinson、Isabella Ward、市倉はるみ.
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Tom Rees, Philip Aldrick