九州高校野球 長崎・壱岐は4強ならず…沖縄第2代表に7回コールド
第155回九州地区高校野球大会第3日は28日、大分市の別大興産スタジアムで準々決勝2試合が行われ、壱岐は沖縄第2代表のエナジックスポーツに2-9の七回コールドで敗れ、来春の選抜大会(甲子園)出場が有力となる4強入りを逃した。柳ケ浦(大分)は育徳館(福岡)を3-0で下し、エナジックスポーツとの準決勝に進んだ。 壱岐は序盤から失点を重ねた。初回は長短4安打に3盗塁を絡められて4失点。二回には二つの連打を浴びて4点、四回には本盗などで1点を加えられた。打線は四回まで二塁を踏めず、五、七回に久田の適時打で1点ずつを返すにとどまった。 第4日は29日、同スタジアムで準々決勝残り2試合を実施する。 ◎終盤に“らしさ” 「大きな経験に」 完敗だった。夢の甲子園まで“あと一歩”まで迫っていた壱岐は、準々決勝でエナジックスポーツ(沖縄)にコールド負け。坂本監督は「これが今の実力。でも、甲子園で勝てるようなチームと試合をできたのは大きな経験になった」と淡々と試合を振り返った。 初回から投手陣がつかまった。浦上、山口はともに徹底してコースに投げ込んだが、追い込んでもファウルで粘られ、甘い球をはじき返された。逆に相手エースは圧巻の投球を披露。130キロ台後半の直球を丁寧にコーナーへ出し入れされ、四回を終えて0-9と大差をつけられた。 そんな展開だったが、主将の浦上の「誰も気持ちは落ちていなかった」という言葉通りに、終盤は随所で“らしさ”を見せた。得点圏に走者を背負っても粘り強く守り、打線はつなぎの意識を共有。この試合初めて得点圏に走者を進めた五回、そして七回には、久田が意地の適時打を放った。 選手全員が島出身の公立校。そのチームが約70人の全校生徒の大半を野球部員が占める私立校相手にひた向きに戦った。目標の4強には届かなかったが、攻守両面で課題を教えてくれた九州の舞台は、間違いなく実りあるものだった。「21世紀枠」での出場の可能性もあるが、浦上は「この冬が一番大事。絶対に強くなって夏は自力で甲子園を勝ち取る」と気合を入れ直していた。