三セク鉄道の未来は…「通学に不可欠。残して」「バスなどと共存共栄も考える必要」…肥薩おれんじ鉄道、法定協スタート 年度内計画策定を確認
経営難が続く第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)の経営安定化を図るため、国の「社会資本整備総合交付金」活用に向けた法定協議会が23日、発足し、八代市で初会合があった。本年度中に地域公共交通計画の策定を目指すことを確認。委員からは「学生の通学手段として不可欠なので残してほしい」などの意見が出た。 【写真】〈関連〉肥薩おれんじ鉄道のルートと駅名を地図で確認する
委員は同鉄道や熊本、鹿児島両県、沿線7市町、JR九州、バス協会、観光連盟、PTA連合会などの27人。会長に就いた竹内文紀鹿児島県地域政策総括監は「おれんじ鉄道は人口減少や原油価格高騰などで厳しい環境にある。今後の取り組みを一体となって検討する」とあいさつした。 意見交換で大分大学の大井尚司教授は「貨物輸送の大動脈と言える鉄道。バスなど他の公共交通との共存共栄も考える必要がある」と指摘。阿久根市の西平良将市長は通学時の満員状態の改善や駅のバリアフリー強化を求めた。 協議会は国が関与して存廃を議論する「再構築協議会」とは別の枠組み。交付金を受けるには、法定協で具体的な利用促進策をまとめた地域公共交通計画を作り、国土交通省から事業実施計画の認定を受ける必要がある。 県は法定協の前段階として、事業者や沿線自治体が参加する「未来戦略検討委員会」を6月に設置、駅へのアクセス向上など経営改善の方向性を11月に取りまとめた。
南日本新聞 | 鹿児島