日章学園、佐賀東を下しベスト4 DF藤山真の先制点を皮切りに4発!
KYFA男子第45回九州高等学校(U-17)サッカー大会は20日、大会最終日を実施。3位決定戦では佐賀東(佐賀1)と日章学園(宮崎2)が対戦し、DF2藤山真(1年)の先制点を皮切りに得点を重ねた日章学園が4-0で勝利した。 【フォトギャラリー】 佐賀東 vs 日章学園 前日に行なわれた準決勝で大津に1-6で敗れた日章学園だが、選手に気落ちした様子は見られない。2日前の夜に高校選抜の活動から戻ったばかりとあって、前日は疲労で精彩を欠いたFW14高岡伶颯(2年)も「走る所が僕の武器なので、きつい時こそそういうのを出していかないといけない。きつい時はきついけど、それより自分の武器という物を忘れずにやっていこうと思っている。今日は昨日に比べたらできました」と話す通り、立ち上がりから快足で攻守に貢献していく。 最初の見せ場は前半8分。GK1有薗大樹(2年)からのフィードを受けた高岡が相手ゴール前まで持ち込んだが、シュートは相手DFをかすめてCKに。13分には右CKから、MF6小峠魅藍(2年)がゴールを狙ったが、シュートは枠を捉えることができない。幸先良く1点を奪えなかったものの、高岡を中心とした高い位置でのプレスで佐賀東のビルドアップを封じると、17分にはMF7南創太(2年)が上げた右CKを藤山が頭で合わせて均衡を崩した。 県予選は未出場ながらも、「無理が効くし、ヘディングも強い」(原啓太監督)とスタメンに抜擢された期待のCBが試合を動かすと、28分には右サイドを仕掛けた南のパスをニアに走り込んだ高岡が追加点。前半終了間際の35分には右CKから放った小峠のヘディング弾がオウンゴールを誘い、日章学園が3点リードで折り返した。 後半も日章学園の勢いは止まらない。後半4分には右サイドDF20野口昊平(1年)のパスを中央で受けた高岡がダイレクトで右前方へ。走り込んだ南が素早くゴール前に入れるとFW9水田祥太朗(2年)が合わせて、4点差まで引き離した。 意地を見せたい佐賀東は連戦の疲労もあって、体調不良の選手が多くなったことが劣勢を強いられた展開に。蒲原晶昭監督はこう振り返る。「ちゃんとしっかり凡事徹底でやりましょうとテーマにしているのに、ちょっとした気の緩みが見られたし、集中力を欠いていた。相手は良いチームなので、疲れているからといって集中力が切れたらやられる」。 攻撃もトップ下で存在感を見せていたMF10大島弘賀(2年)を欠いた影響は大きく前半はなかなか日章学園のゴール前まで進めない場面が続いた。後半に入ってからはサイドから押し返すシーンも見られたが、「ちゃんと最後のラストパスを出しておけば、もっとゴール前には行けたと思う。選手がもっとうちらしさを出せないといけない」と指揮官が話したように得点には至らず0-4のままタイムアップを迎えた。 高岡を筆頭に攻撃には昨年からの経験者が残る日章学園だが、DFラインは昨年から大幅にメンバーが変わった。大会序盤は不安定さもあったが、試合を重ねるごとに少しずつ粘りが出てきた。何より、公式戦という緊張感のある舞台を経験できたことはこの先に繋がるだろう。原監督はこう話す。 「経験値の少ない選手が6試合できたというのは良かった。特に決勝トーナメント1回戦の鹿児島城西戦では負けたら帰らなければいけない、ひりつく展開のゲームをすることが初めての選手が半分ぐらいいた。そこを何とか勝ち切り、3位決定戦も勝って終わったことは次に繋がるんじゃないかと思います」 九州新人の経験を更なる力に変え、日章学園はプリンスリーグや全国大会での上位進出を狙いに行く。 (文・写真=森田将義)