豊島区に必要なものは何?小学生たちが「住み続けたくなる未来の豊島区」テーマにプレゼン〈国連を支える世界こども未来会議 〉
豊島区の小学生を対象にした「国連を支える世界こども未来会議 in TOSHIMA」が11月25日、豊島区役所で開催され、区内の小学生41人が「住み続けたくなる未来の豊島区」をテーマに、さまざまな意見やアイデアを活発に交換、約5時間にわたって将来の豊島区の姿について考えた。 ワークショップ型のイベントで、子どもたちは、5、6人ずつランダムに8つのグループに分かれてテーブルを囲み、日本電信電話株式会社上席特別研究員の渡邊淳司氏進行のもと、ディスカッション。司会と審査員を務めたジャーナリストの堀潤氏や株式会社コア・エス代表取締役で国土交通省観光庁Visit Japan大使の矢幡聡子氏、早稲田大学理工学術院教授の朝日透氏らが見守る中、話し合いの進行を手助けするコミュニケーションサポーターのヒントを取り入れたりしながら、チームとしての「住み続けたくなる未来の豊島区」像を決定し、それを実現する具体的な案、そのために明日から始めることなどをまとめた。
同区の小学校ではSDGsに関する学習を積極的に進めていることから、話し合いの内容も、ゴミをひろうといったことから、自然環境の保護、クラウドファンディングや経済面、さらには愛と友情まで発展。「何よりも思いやりが重要で、それによって成長できる」「でも、ひとりで思いやりを持っても何の意味もないよね」「だから広めることが必要だね、そのためにも発表する場所が必要だ」といった具合にテンポのいいやりとりがあちこちで行われていた。
区役所内の議場に会場を移して行われたプレゼンテーションでは大人たちを喜ばせる内容も多数。 「住み続けたくなる未来の豊島区」を実現するために必要なものとして各グループが挙げたのは「自然と生命」「思いやり」「挑戦と思いやり」など様々。「挑戦と、価値観の理解」が大事だとし「挑戦することによって、新しい発見があるし、相手の価値観を理解して、行動することによって、平和で、安心して暮らせる豊島区に近づく」と説明したBグループには大人はもちろん、高際みゆき区長も「いいね!」と大絶賛。そのために明日からできることは「失敗を恐れず、前に進むこと、謙虚になること」としていたが、「謙虚になる」とした理由は、「WIN-WIN、お互いが得する、お互いが良い気持ちになるというのがあるんですけど、そうするために自分が負けに行って相手を勝たせる、謙虚になって相手を知るということが大事だと思いました」と説明すると大人たちは黙り込んだ。子どもたちから「どうしたら失敗を恐れないようにできるのか?」といった質問が上がると、「ひとりで怖いと悩むのではなくて、周りの人に相談してみたりすると自分が思っていたよりもいいアドバイスや、考えられなかったことが返ってくるかもしれない」という答えだった。 各チームの提案は審査員と子どもたちによって審査され、最優秀賞はEチーム(野村倫花さん、藤原愛梨さん、金田悠花さん、佐藤美海さん、栗原舞佳さん)だった。 豊島区にとって「価値観の理解と挑戦」が大事だとし、「自分から価値観の理解に挑戦することでより深い関係を築くことができ、理解して認め合うことで住みやすく居心地の良い街になる」と説明。そのためにも、誰もが自分の思いを言葉にして伝えていくべきとし「だれでもディベート」をすることを提案。世代が異なる人、国籍が異なる人などバックグラウンドの異なる人と意見を交換するというもので、「話題は、たけのこの里ときのこの山、どっちが好きかとかそういうことでいいんです」とアピールすると、会場のあちこちから拍手と笑い声が上がっていた。