セルヒオ・ラモスは“裏切り者”として2度セビージャを離れるのか?西紙記者「2部降格の危機に瀕する船から降りる…それが彼という人間の本性」
セビージャ退団が決定したDFセルヒオ・ラモスに対して、同クラブの番記者が辛辣な意見を述べている。 2005年に下部組織から過ごしたセビージャを離れてレアル・マドリーに加入した際、多くのセビジスタ(セビージャサポーター)たちから“裏切り者”のレッテルを貼られたセルヒオ・ラモス。同選手は昨夏、パリ・サンジェルマンを離れて、「ずっと胸につっかえがあった」「僕は父親、祖父、プエルタに負い目を感じてきた。今こそ家に帰るときだ」と、約20年の歳月を経て古巣を復帰を果たしたが、故郷でのプレーは1シーズンのみにとどまっている。 今季セビージャはチャンピオンズリーグではグループステージで敗退し、ラ・リーガでは残留争いに巻き込まれる停滞ぶりで、来季にはクラブの浮沈をかけたチーム再建に取り組むことになる。そうした重要な局面にあるがゆえに、セルヒオ・ラモスが“泥舟から逃げる”と捉えるセビジスタたちは多いようだ。SNS上では「彼は絶対に戻ってくるべきではなかった」という意見があふれているが、スペイン『マルカ』でセビージャを長年追い続けるアルベルト・フェルナンデス記者も、コラムで同様の趣旨の意見を記している。 「キャプテンマークを付けている人物が、最も必要とされているときに、どうして『俺はここまでやったんだ』と言えるのだろうか。クラブの状況は惨憺たるものだが、船が沈もうとしているときに、最も必要とされる者が人々を置き去りにするはずなどない。それが人生の掟であるはずだ」 「彼が退団するのは、降格の危機に瀕するセビージャの一員になりたくないからだ。彼は痛みも栄光も感じることなく、ここを後にすることになる。彼はフットボールの歴史だが、セビージャの歴史ではないのである」 「チームの再建はセルヒオ・ラモスなしで行うことになる。スポーツ面に関しては今季彼は必要だったものの、しかし不可欠ではないと思う。新しい監督、新しい選手たち、新リーダーたち……。誰もが(良い意味で)下降線を辿るスター選手が去ることを恐れていない。だがしかし、ヘスス・ナバスの姿を見てみるがいい。彼が新たに契約した数カ月間は(同選手はチームの過渡期をサポートするために半シーズンだけ在籍した後に引退する予定)、そのキャプテンシーを誰かに引き継ぐために役立ってくれるはず。彼と同じだけの情熱、エンブレムへの真の愛情を持つ選手を探す助けとなってくれるはずだ」 「“いいね”が支配する今の世界は、すべてがペテンだ。あらゆることが嘘で、表面的で、感情任せで、一瞬で過ぎ去ってしまう。だが、自分を必要とする人々と残るかどうかというときに、その人間の本性が表れるのだ」 「セルヒオは、『チームに貢献しない人間は道を開けろ』と言っていた。あれはチャンピオンズの試合後の発言だったが、チャンピオンズの試合がなく、ラ・リーガで残留争いに興じ、暗い未来に怯えている現在、道を開けたのはセルヒオだった。少なくとも彼は一貫している。セルヒオは、自分がチームに貢献しない人間であることをはっきり自覚していたのだ」 「さらばだ、セルヒオ・ラモス。彼のここでの物語はまったく変わらないままだ。彼の古いユニフォームを、飾ろうとする人間など誰もいないのである」