中二病男子に刺さりまくった龍のお土産キーホルダー【山下メロの平成レトロ遺産:021】
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。 2024年は辰年ですが、干支を意識するのも年のはじめだけ。今のうちに平成の龍アイテムを振り返っておこうと思います。そこで、今回のテーマは、平成の有名観光地で販売されていたキーホルダーです。 【写真】今週のレトロ遺産! 昭和の終わりから平成初期にかけて日本中の観光地で売られていた子供向けの土産が「ファンシー絵みやげ」。これらは、その土地にまつわる人物や動物を2頭身で描いたイラストと、ローマ字で地名や言葉などを書くのが特徴です。 そして、この時代は空想上の生物とされる龍まで、デフォルメして描かれていました。龍に関連する観光地としては、「薬師堂の鳴龍」の天井画で知られる栃木県日光市の日光東照宮。「龍踊り」が演じられる長崎県の祭り、長崎くんち。あちこちに龍のモチーフがある沖縄県の首里城も、重要な龍にまつわる観光地です。そういった場所でファンシーな龍のキーホルダーなどが売られていました。 ほかには富士五湖や、静岡県御前崎市の桜ヶ池など龍にまつわる伝説がある観光名所、それから岩手県の龍泉洞、静岡県の竜ヶ岩洞、高知県の龍河洞など龍が名前につく鍾乳洞なども全国に見られます。 バブルが崩壊するとファンシー絵みやげは減少し、代わりにご当地とはほぼ無関係な龍のキーホルダーが全国的に台頭しはじめます。 剣に龍が巻きついている立体的でメタリックなキーホルダーが主流で、最もメジャーなのはコヤマ製の「魔界のドラゴン夜光剣」とネーミングされたものです。人気のあまり多様な亜種が生まれ、類似品に対する訴訟にまで発展したほどです。 剣だけでなく手裏剣、手斧、鎖鎌など〝武器と龍〟の組み合わせ、龍の姿が彫り込まれた盾と剣、龍の重厚な人形型などさまざまなパターンが生まれ、一部は今なお製造・販売されています。 このキーホルダーは広い世代で懐かしいアイテムとなっていますので、辰年の今年はぜひ探して、家の鍵につけましょう! 撮影/榊 智朗