韓国が「一人当たり国民所得で『日本』を初めて超えた」騒動のウラで、在日3世の私が直面した「意外な違和感」
完全なる「一極集中」
私も歳をとって思う良き国とは、お金があるないしに限らず、人、文化との触れ合いがあればコンビニおにぎりでも人生は楽しくなると思っている。私の友人記者も取材で訪日すると身銭を切って地方に出向いているが、そんな時に食べるものは簡単な牛丼だったり、ラーメンだ。彼にとって食事は私の様な「先輩」に奢って貰えればと割り切り、もっともっと日本を見て回りたいと言う欲求の方が強いと話していた。 都心部と地方の現実については、日本でも韓国でも地方に行くほど所得が低く、物価が安かったりする傾向が強いだろう。それは日韓で同じだが、一つ違うのは韓国では人口5000万人の3分2近くがソウルと京畿道に集中しているということだ。日本でも東京を一極集中というが、韓国はそれどころではない。 私は今、4月の韓国の選挙結果に失望して日本で再び住む準備をしている。そこで1千万円ちょいで中古物件を探しながらそれなりに物件に出会えているが、韓国で1千万円ちょいで探すのは無理なのだ。地方に行けば子供が帰ってくると信じて空き地や空き家を手放さない人は少なくないし、マンション(25~30坪)は普通に3000~4000万円する。首都圏のソウルでは、現在1億円の中古マンションは無いと言われているほど高騰している。 私の住むカンナムのビラ(低層マンション)で、賃貸部屋が家賃16万円だ。この物件には2018年のコロナ前に入ったから良かったが今、入ると同じ条件で22万円だという。 そして同時期に見に行った近くの中古マンション26坪は築15年で2億6千万円だった。 チョンセと言う契約期間中家賃を出さない代わりに市場価格の70%~を保証金で収めるシステムでも2億円だった。
数値だけではわからない「国の良さ」
私は日本に滞在しているこの5ヶ月ほどで、九州各地のイベントに韓国人のカミさんを連れて行っている。うちのカミさんは韓国では普通の一般感覚の人だ。そんなカミさんが日本のさまざまな場所を見てどんな反応、変化があるか様子を見ていたが、行く先々で「日本の良さ」にため息しか出ない様だ。 なにより、どこに行っても心穏やかに過ごせると言う。韓国は日本と比較して「追い抜いた」と机上の数値を誇っているが、その国の良さと言うのはこんな数値で計れるものではないと痛感しているという。 反面、こういったはかれない部分に日本人はもっと誇りを持って良いし、国もそういった部分のPRや保全に予算をもう少し割いても良いと思えるのだ。 さらに連載記事『韓国が「日本人の年収を超えた」のウラで、なぜか語られない「意外すぎる真実」…! 「在日3世」の私が日本と韓国に住んでわかった「日本のスゴすぎる制度」と「韓国との大きな違い」』では、いま韓国で起きている“もう一つの異変”についてレポートしよう。
豊 璋(在韓国コンサルタント)