信州黄金シャモ知って ラーメン店と開発し販売 下伊那農業高校アグリ研究班畜産部【長野県】
長野県独自の地鶏「信州黄金シャモ」の普及に取り組んでいる下伊那農業高校アグリ研究班畜産部は、飯田市内のラーメン店とラーメンを共同開発した。5年目の取り組みで、今年は新たに「みそラーメン」を加え、サイドメニューには「鶏ごぼうごはん」と「よだれ鶏」を選んだ。 信州黄金シャモは、シャモと名古屋種を交配させた種。1平方メートルあたり5羽以下の広々とした環境で、ブロイラーの2倍以上の日数をかけて育てられる。肉はうまみ、風味、歯応えの三拍子が特長とされる。 生産者の減少を受けて同校では「リニア時代を見据え、オリジナル地鶏を地域に広げよう」と、2017年に普及を目標とした「10カ年計画」を立て、同年から飼育を始めた。 上郷飯沼のラーメン店「ふたつ矢」と共同開発。魅力発信の一環として取り組んでおり、昨年秋から生徒がメニューやコンセプトを考えてアイデアを店側に伝え、店が生徒の思いをくんで開発した。 昨年の客からのアンケートで「新しい味を追加してほしい」という意見があり、これまでの「しょうゆ」と「塩」に加えてみそラーメンを開発した。 ラーメンのスープには黄金シャモの鶏ガラを使用し、トッピングではもも肉のソテーやむね肉のたたきを載せている。 サイドメニューでは、黄金シャモの歯応えと風味を生かそうと、生徒が意見を出し合って試作を重ね、鶏ごぼうごはんとよだれ鶏を選んだ。 2年の生徒は「生産者を増やすにはまず知ってもらう必要がある。たくさんの人に黄金シャモ特有の歯応えやうまみを味わってほしい」と呼び掛けている。 同店を経営する「岳」の北原広康社長(43)は「このような取り組みは長年続けることに意味がある。若い人たちにこんな地域資源があるんだと知ってほしい」と話していた。 1日に同店での販売を始めた。期間限定販売で22日まで。各商品の料金はしょうゆ、塩ラーメンが1309円、みそラーメンが1364円、鶏ごぼうごはんが440円、よだれ鶏が605円(いずれも税込み)。