【町田】規格外の右SB望月ヘンリー海輝、プロ入り初フル出場は「赤点にならないくらいかな」
FC町田ゼルビアDF望月ヘンリー海輝(22)が存在感を強めている。右サイドバックとしてはひときわ目立つ192センチの大型サイズに加え、驚異的なロングスローを武器とする。17日のYBCルヴァンカップ2回戦のギラヴァンツ北九州戦(2-1)では、プロ入り後初めてのフル出場も果たした。 18日、町田市内の練習後、望月は取材に応じた。2日前の試合の出来について「いいところももちろん出た試合でもあったし、足りない部分もあった。出来としてはテストで赤点にならないくらいかなと思います」。国士舘大を今春卒業したばかり。元大学生らしくユーモラスにプレーの出来を表現した。 “赤点スレスレ”という厳しい自己評価。その足らないところを問うと「前への配球だったり、何回かそれでカウンター食らったシーンがあったので改善していかなければいけない。また、前を動かすコーチングだったり、もう少しレベル上げていかないといけないなと思います」と振り返った。 今季は明治安田J1開幕戦のガンバ大阪戦(1-1)にさっそくベンチ入りし、終盤に途中出場でプロデビューを果たした。ただ、その後は出番がなく、前節13日のヴィッセル神戸戦(1-2)で再び終盤に途中出場でプレー。そして中3日のYBCルヴァンカップではフル出場と状況は上向いている。 21日にはFC東京戦を控える中、「神戸戦に出て失点にも絡んでしまったので、チャンスをいただけたらチームの勝利に貢献できるようなプレーを、と常に思いながら練習しています」と目を輝かせた。 調子が良ければ50メートル近くも飛ぶという驚異的なロングロワー。ナイジェリア出身の父を持ち、跳んで、走ってとスケールの大きなプレーが持ち味だ。プロ入り後、足元の技術に磨きをかけている。「センターバックからパスをもらってのトラップとか、日頃から練習しているので伸びたかな」。 大学時代は授業終了後の午後6時からの練習だったのが、今は午前練習とあって生活リズムも変わった。寮生活でバランスのいい食事を摂取。マッサージで体のメンテナンスにも余念がない。気晴らしは「ゲームくらい。あとは1人でボーッとしたり。外に行くタイプじゃないので」。 国士舘大時代の同期の存在がモチベーションとなっている。東京ヴェルディ所属のFW古川真人とDF山田裕翔も17日のYBCルヴァンカップでついにプロデビューした。 「試合を前に出るかもしれないね、お互い出たら頑張ろうと話をしていた。ヴェルディも勝ったので、同期としてうれしい。刺激になっている。同じグラウンドでやってきた人が頑張っているの知ると、負けたくないですね。刺激し合いながらできています」 大きな可能性を秘めた規格外の22歳。J1昇格1年目にして上位に付ける好調なチームにあって、望月の動向からも目が離せない。