箱根駅伝Stories/城西大・平林樹 主将として臨む最後の箱根「俺たち4年生がやらないと」
4年生としての覚悟
今年11月の全日本大学駅伝では、5区に林晃耀、7区に久保出雄太、アンカーの8区に平林と、4年生3人が後半区間に起用された。平林はレース前、4年生だけのグループラインで、「俺たち4年生がやらないと」というメッセージを伝えたという。 「今回の全日本で言えば、流れを作るのはヴィクターや将也。その流れを確実なものにして、順位を決めるのは後半区間に入った4年生の仕事。そういう意味でも4年生のがんばりが重要になると思っていました」 実際、城西大は2区終了時点で10位とやや出遅れたものの、3区のキムタイが5人抜き、4区の斎藤が3人抜きを達成。2位で前半区間を終えた。しかし、林が2つ、久保出が1つ順位を落とし、平林も5位をキープできずに6位でフィニッシュ。平林は「区間順位は5位ということで最低限の走りはできましたが、チーム目標は5位だったので、主将として、アンカーとしての仕事は果たせませんでした」と悔しさを滲ませる。 それでも、「自分たちがやっていることの方向性は間違っていない」という手応えも得られた。 箱根駅伝では前々回、前回とともに9区を担い、区間8位、10位と今いる順位をしっかりキープしたが、自身には「全体を通して納得のいく入りができていない」という思いがある。 最後となる3度目の箱根は、櫛部監督が「チームの3本柱の1人ですので、主要区間を走ってもらいたい。往路を考えています」と語るように初の往路での出走が有力。平林は「前回の往路の選手たち同様、しっかりとチームの順位を決める走りをしていきたいです」と静かに闘志を燃やす。 「自分としては、往路ならどこでも走れる準備をしてきたつもりですが、1区、3区、4区あたりなら自分の力を一番出せると思っています。4位以上というチーム目標のためにも、区間3位以上を目指していきたいです」 平林がどんな大学4年間を過ごしてきたのか。それを証明する集大成の時が近づいてきた。 ひらばやし・いつき/2002年12月8日生まれ。東京都八王子市出身。東京・打越中→拓大一高。5000m13分39秒77、10000m28分03秒13、ハーフ1時間2分49秒
小野哲史/月刊陸上競技