桂米團治「おかしいと思われた時は容赦なく叱ってくださいました」桂ざこばさんを追悼
上方落語家、桂ざこば(かつら・ざこば、本名関口弘=せきぐち・ひろむ)さんが12日午前3時14分、ぜんそくのため大阪府の自宅で死去した。76歳。ざこばさんの師匠、故3代目桂米朝さんの長男で落語家の桂米團治(65)が12日、所属事務所を通じてコメントを発表した。 「私が幼稚園に通い出した時に、入門されたのが、ざこば(当時の朝丸)兄さんでした。本当によく遊んでもらいました。4歳の私を15歳の少年が面倒みるのですから、さぞかし大変だったことでしょう。ボール投げ、缶蹴り、ザリガニ捕りなど、思い出は一杯あります」と思い返した。 続けて「父、米朝は修業中の弟子を住み込ませていたので、私は米朝の長男でありながら、家には常に『お兄ちゃん』がいました。なかでも、ざこば兄さんは師弟愛が強く、『俺こそ、ちゃあちゃん(米朝の愛称)の一番の子どもや』という思いがおありになったようです」と振り返った。 「私が噺家(はなしか)になってからも、私の考え方がおかしいと思われた時は容赦なく叱ってくださいました。何事にも一所懸命に振る舞われたお兄さん! お兄さんの落語に登場する人物は、どの人も『情』にあふれています。まだまだ追いつけませんが、お兄さんの教えを受け継いでまいります。本当にありがとうございました。合掌」と感謝の言葉を送っていた。