空飛ぶタクシーのAirXがエンブラエル傘下企業が開発中のeVTOLを最大50機導入へ
AirXは空飛ぶクルマによるタクシー事業を拡大へ
2024年4月18日、AirXはブラジル大手航空機メーカーであるエンブラエル傘下企業「EVE Air Mobility(EVE)」が開発するeVTOL(空飛ぶクルマ)の購買権に関する契約を締結。最大10機の確定注文と40機のオプション購入権を確保した。 ●【Q&A】航空業界の略語「VTOL/STOL/UAM」って何? 話題のドローンや空飛ぶクルマとの関係性は 株式会社AirXは空飛ぶクルマによるタクシー事業の展開を計画している日本の会社。現在はヘリコプターによる遊覧飛行サービス「AIROS Skyview」と貸切移動(チャーター)サービス「AIROS」の2つを事業化しており、空飛ぶクルマの実証実験や空飛ぶクルマの販売を目指して取り組んでいる途中の段階である。 2024年3月には茨城県つくば市にて、テスト飛行やパイロット育成などの中核拠点として、関東初となる“空飛ぶクルマ専用のテストフィールド”を開設するなど、「空飛ぶタクシー」の商業化に向けた計画を着々と進めている。 実はAirXはすでに空飛ぶクルマを所有しており、中国を拠点にエアモビリティを開発しているパートナー企業の「EHang(イーハン)」が開発したeVTOLの「EH216-S」を使用して事業化に向けた実証実験を続けてきていた。 今回のエンブラエル傘下「EVE」が開発するeVTOLの導入は、空飛ぶタクシー事業が開始された際、ニーズに合わせて柔軟な機材運用ができるようにするためだろう。 「EVE」が開発中のeVTOLは、「リフト・クルーズタイプ」と呼ばれる、飛行機のような固定翼を備えつつ、ドローンのようにローターを複数取り付けているタイプで、効率的に長距離を飛行できる。 空飛ぶクルマは一般的に航続距離が短く、たとえば、前述の「EH216-S」の場合では30kmと航空機として見た際に運用しにくい面がある。今回、リフトクルーズタイプにしたことで航続距離約100kmを確保、ビル to ビル以上のより長距離の移動ニーズに応えることが可能になる見込みだ。なお、2026年には機体納品が始まり、実際のサービスも開始される予定だそうだ。 【基本合意書の内容】 1.最大10機のeVTOL確定オーダー 2.40機のオプション購入権 3.都市型航空交通管理ソフトウェア「Vector」の活用 【主要諸元 EVE開発のeVTOL】 航続距離:約100km 形式:リフト・クルーズタイプ 搭乗人数:5名(パイロット1名、乗客4名)