米共和強硬派ゲーツ氏、司法長官の指名辞退 買春疑惑で反対に直面
Bo Erickson Andrew Goudsward David Morgan [ワシントン 21日 ロイター] - トランプ次期米大統領が司法長官に指名していた共和党強硬派のゲーツ元下院議員は21日、指名を辞退すると表明した。過去の未成年女性への買春疑惑が物議を醸し、指名承認に必要な上院共和党議員からの反対に直面していた。 下院議員を先週辞職したゲーツ氏は、下院倫理委員会の調査対象となっていた。同氏は疑惑を否定している。 今回の指名は来年に両院で過半数を占めることになる共和党のトランプ氏の議会に対する影響力を測る試金石となった。ゲーツ氏は昨年、マッカーシー下院議長(当時)の解任を画策し、下院を数週間にわたって混乱に陥れたことで、多くの共和党議員から反感を買っていた。 上院の共和党議員は、下院倫理委による調査結果を見ずにゲーツ氏に対する指名承認採決を要求されることに反発していた。 ゲーツ氏はⅩへの投稿で、トランプ次期政権の邪魔になることを避けたいと説明。「トランプ氏の司法省は初日から準備万端でなければならない」とした。 司法省は少女に対する性的人身売買疑惑を巡ってゲーツ氏を3年近く捜査。同氏の事務所は2023年、検察から刑事責任を問われることはないと伝えられたと発表した。 ゲーツ氏は下院議員時代に忠実なトランプ氏の盟友と目されていた。今回の指名はトランプ氏が司法省を使って敵に報復するという誓約を実行に移す姿勢を示すものと見られていた。 トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」に「彼は非常によくやっていたが、それと同時に彼が尊敬している政権の邪魔者にはなりたくなかった」と記した。 マイク・ラウンズ上院議員(共和党)は「(トランプ次期)大統領が当初指名した時には知らなかった情報があったのかもしれない」と指摘。ゲーツ氏の指名辞退について、上院が大統領に助言する義務を果たしたとの認識を示した。