“私もちゃんと人間のこととか好きだった”…多くの人の心に刺さる1人の女性のお話「朝から泣いてしまった」「あったかいお話…」との声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、圷 見南子さんがX(旧Twitter)上に投稿した漫画「ブルース・ドライブ・モンスター」だ。2月9日時点で2.5万以上のいいねがつく反響が集まり、多くの人を感動させ話題となっている。今回は作者の圷 見南子さんに制作の背景を伺った。 担任の先生や高校の友達との出会い…人を好きになるとは?「夢中で読み進めました」「この漫画に出会えてよかった」と話題に ■さまざまな想いが読み取れる1人の女性のお話 主人公・桜井つばさは中学生の頃、友達がいなかった。そんな桜井の楽しみは、毎日書く生活ノートの自由記入欄で担任の紫村先生との交換日記。 事のはじまりは1年前にクラスの自己紹介の際、桜井が「ダンス・カルマ」というバンドが好きだと言ったところ紫村先生も「ダンス・カルマ」が好きだということが発覚。そこから直接お喋りするのではなく、生活ノートの自由記入欄で文字のやりとりをするのが恒例になっていた。桜井自身も文字にする方が色々喋れたのだ。誰にも分かってもらえない自分を紫村先生は分かってくれる。桜井は紫村先生が大好きだった。 その後、先生は退職してしまい、桜井は高校生になった。 高校では同級生の大月に出会う。大月は明るく魅力的な女性だった。ある日、大月から「桜井はクラスの男子誰が好き?」と尋ねられた桜井。「……そういうの無いよ」と答えるが、大月は男子消去法をしようとする。桜井が「例えば私が女子で好きな子がいる、って言ったら男子消去法意味ないでしょ」と言うと「兄貴が言ってた。カレシいたことない子のそれって負け惜しみだって。オタク女子の負け惜しみだってさ。桜井はそんなんじゃないでしょ~」と返す大月。それに桜井は「そうだね」としか返さなかった。 そして高校を卒業し、県外の大学へ進学することになった桜井。 彼氏はできることなく、大学生になった。 成人式前後にあった中学生の同窓会へ参加し、紫村先生と再会する。お店の外でタバコを吸う喫煙スペースで紫村先生と2人なった桜井だが、紫村先生から「ダンス・カルマ去年解散しちゃったわね。桜井さんといえば、そればかり思い出しちゃって」と言われると、思わず涙が溢れた。 その時「私もちゃんと人間のこととか好きだった」「紫村先生とか大月とかのこと好きだった」「その気持ちは間違いじゃなかったろ」と桜井は自分自身で気付いたのだ。 実際に漫画を読んだ人からは「めっっっちゃ沁みた」「朝から泣いてしまった」「夢中で読み進めました」「この漫画に出会えてよかった」「良すぎて泣いちゃった」「あったかいお話…」などの感想があがり、多くの人を感動させている。 今回は、漫画の作者・圷 見南子さんに作品ができあがるまでの話を伺った。 ■感動する人続出! 作者・圷 見南子さんの創作背景とこだわり ――「ブルース・ドライブ・モンスター」を創作したきっかけや理由があればお教えください。 3年前、自分の思春期の頃をモチーフにしてネームを描きかけていて、それを今回コミティアに参加するためちゃんと完成させようと思ったのが最初です。 わたしはこれまで、自分そのものを投影した主人公像を描いたことがなくて、この際に自分が見て感じてきた等身大の世界を描きたいと思い、作品にしました。 タイトルも自分が中学生のころ、ずっと登下校中に聴いていたthe pillowsの「Blues Drive Monster」からお借りしました。 ――「ブルース・ドライブ・モンスター」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。 前にお仕事で、女子の描き方が下手だと編集さんに指摘され……あれからいま、自分の画風なりに、女性を爽やかに魅せるよう頑張って描いたので、絵的なところで魅力に映るものがあれば嬉しいです。 そして、主人公の桜井が、夏のプールで大月に言われたことを、桜井はどう受けとって「そうだね」と返したのか、同窓会で紫村先生に言われた言葉に、なぜ桜井は涙を流したのか、ひとつひとつにそのときの彼女なりの感情を想像していただけたらと思います。 ――今回SNS上で読者の方から多くの反響がありましたが、特に印象に残っている読者の声があればお教えください。 とても丁寧なご感想をくださった方が何名もおられました。特に、自分の性的指向について悩みや苦しさ、言語化できなさがあったりする中、この漫画を読んで、自分の生き方を肯定してもらえた気持ちになった……という言葉をいただいたとき、迷ったり悩んだりしながらも、この作品を描いて発表することができてよかった……と思えました。 ――圷 見南子さんが漫画を描く上で大切にしていることがあればお教えください。 どんなキャラクターでも、その人物はこうする、こうはしない、ということを大切にすることだと思っています。例えばこの漫画で、桜井が吹っ切れて本音を全部相手に言うとか、お話の都合上でそうさせることもできたのですが、この桜井という人物はそうはしないのだと感じ、この漫画はあのような展開・終わり方になりました。 ――圷 見南子さんの今後の展望や目標をお教えください。 今はずっと商業で、主にBL漫画を描かせていただいているのですが、これからはもっと多岐に渡り、様々な人物や感情を主題にした漫画を描いてゆきたいと思っています。 ――最後に圷 見南子さんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。 「ブルース・ドライブ・モンスター」がきっかけの方も、それより前から読んでいただいている方も、どうもありがとうございます。読者の方の存在が本当にわたしの励みになっております。これからも、色んな主題や読み味の漫画を描いてゆきたいと思っていますので、その中にひとつでも好きだと感じていただけるものがありましたら、それはとても嬉しいです。
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