「小池vs蓮舫」の都知事選にどうにもワクワク感が湧いてこない理由
先に出馬表明をしていた蓮舫さんも、「小池都政のリセット」を強調しますが、具体的な政策やビジョンについてはこれから発表する予定です。予定より遅れているとも言われています。現時点で、未来志向の政策の中身についての話は双方ともほとんど皆無で、あるのは、いかに自分に世の中の関心を引き付けるかというPR合戦だけ。だから都民は都知事選にワクワク感を感じないのだと思います。 ■ 「7つのゼロ」と「2位じゃダメなんですか」 小池さんと蓮舫さんの戦略を比較すると、象徴的に「012(ゼロ・イチ・ニ)の戦い」と言えると思います。小池さんは前回の都知事選の時、「7つのゼロ」を公約に掲げました。「都道電柱」「待機児童」「ペット殺処分」「残業」「満員電車」「多摩格差」「介護離職」をそれぞれ「ゼロ」にするというものです。非常にキャッチーな政策で、都民の注目を大いに集めました。中身はともかく、PRの巧みさという面では効果を見事に発揮した公約でした。 ただ、そもそもかなりムリ目の目標です。結果的にはペット殺処分ゼロは達成しましたが、他の項目については達成と呼べるものはないと思います。実行できるかどうかはさておき、有権者にウケそうなアドバルーンを打ち上げるのが小池さんの選挙戦略の真骨頂と言えるかもしれません。 「012(ゼロ・イチ・ニ)の戦い」の12(イチ・ニ)の方は蓮舫さんの戦術のことです。これは例の民主党政権時の事業仕分けの中で、スーパーコンピューター開発にかける予算の妥当性を検討する際に出た「世界一になる理由は何があるんでしょうか? 2位じゃダメなんでしょうか?」という有名なセリフを指しています。 マスコミが押し寄せる中で飛び出したあの発言は、本人にそのつもりがあったかどうかはわかりませんが、やはり非常にキャッチーで、良くも悪くも、蓮舫さんが世間に注目を浴びる大きなきっかけになりました。タレント出身、キャスター出身という経歴も関係しているのかもしれませんが、大喜利のように、とっさにうまいことを言うのが蓮舫さんは本当に上手です。