関学大戦の８回裏に登板し、１イニングを三者凡退に抑えた関大の金丸

　中日のドラフト1位候補に挙がる関大の金丸夢斗投手（4年・神港橘）が22日、わかさスタジアム京都で行われた関西学生リーグの関学大戦に登板し、1イニングを三者凡退に抑えて大学ラストゲームを締めくくった。今年は春、秋のリーグ戦を通じて計54イニングを自責点0（失点1）で防御率0・00をマーク。24日のドラフト会議に向け、「もちろん1位で入りたい。ご縁があった球団に入って尽くそうと思っています」と12球団OKの姿勢を見せた。 　ドラフト会議2日前、1位競合が確実視される最速154キロ左腕・金丸はマウンド上でやり切った。 　「最後は3人で抑えて学生野球を終わろうと思って投げました。気持ちよかったです」 　志願の登板だった。すでに関西学院大の優勝が決定しており、この日の登板予定はなかった。それでも「最後にこのチームで戦いたいという思いがあった。試合前に監督に『行かせてください』と言いました」と8回に登板。直球やスライダー、スプリットを投じて三者凡退。11球で抑え、笑顔でベンチに戻った。 　残してきた数字が、大学ナンバーワン左腕の呼び声を確かなものにした。「体を強くしたことが一番の成長。スピードもコントロールも、レベルが上がったと思います」。2年時から主戦としてチームを引っ張り、4年間の通算成績は49試合（先発25）で20勝（7完封）3敗の防御率0・83。239イニング2／3を投げて、312奪三振、28失点（自責点22）。1試合平均の三振奪取率は11・71とすさまじい数字ばかりだ。

金丸は最大6球団近くが1位競合か　明大・宗山も複数球団が指名へ

試合後、記者に囲まれる金丸

　今年は春季リーグ戦中に腰を痛め、故障明けの秋季は救援登板に限定。10試合15イニングを無失点に抑え、春秋通算で54イニングを自責点0（失点1）。昨秋から72イニング連続の自責点0で学生野球を締めた。スカウト陣からの熱視線を浴び続けたラストシーズンは4位に終わったが、「点を取られないのが投手に必要なところ。この1年間、調子の良い悪いがあったなかで結果を残せたのは良かったです」と力強く振り返った。 　間もなく運命の日を迎える。「ドラフト1位で指名されることを目指してきた。（希望球団は）特にありません。ご縁があった球団にしっかりと入って尽くそうと思っています」と語り、指名先は中日を含めて12球団のどこでも構わない姿勢だ。自信を胸に、その瞬間を待つ。 　関大の金丸については6球団近くが1位指名で競合する可能性がある。1位指名が確実視される中日のほかに巨人、ヤクルト、オリックスなどが1位候補としてリストアップしているとされる。 　このほか大学ナンバーワン遊撃手として注目される明大の宗山塁内野手も1位指名を公言している広島など複数球団が指名するとみられ、24日のドラフト会議当日まで各球団で指名選手の最終調整が進められていく見通しだ。 　過去に最も多く競合したのは1989年の野茂英雄（新日鉄堺）、90年の小池秀郎（亜大）の8球団。