浅瀬ウニ漁に奮闘 浜下れシーズンスタート/洋野・大浜海岸
洋野町八木漁港近くの大浜海岸で23日、恒例の浅瀬でのウニ漁「浜下(お)れ」のシーズンが始まった。初日は町漁協宿戸漁業実行部会(吹切繁部会長)部会員の女性ら26人が、干潮の浅瀬でウニ採りに精を出した。 ウニ漁は通常、沖合で数メートル潜水して海底のウニを狙うが、そうした漁に携わらない女性や、潜水漁を退いた高齢の漁師のために、浅瀬での漁を解禁し、採った分をそれぞれの収入にできるよう配慮している。今季は沿岸4カ所で8回程度実施する予定。 初日は30~80代の部会員が、午前8時の合図と共に漁を開始。約1時間半の間、シュノーケルで海中をのぞき、町特産の黒々としたウニを見つけては「カギ」や素手で器用に網に入れていった。夫や家族らは高台から奮闘を見守った。 漁の後、捕獲分から小さいサイズを選別して海に返し、家族も手伝いながら宿戸漁港荷さばき場でむき身作業に当たった。ウニは1キロ当たり約1万5千円で業者へ出荷した。 8つの網を満杯にした志田ツセさん(62)は、浜下れに30年近く参加するベテラン。「例年よりは身入りがあまり良くなかった」と苦笑いしつつ「最盛期の6月に期待している。家計の足しにできる数少ない機会だから」と意欲を見せた。
デーリー東北新聞社