標茶のひしのみ保育園 ポニーの堆肥活用で楽しく野菜作り
北海道標茶町塘路の町立ひしのみ保育園(長濱真紀園長、園児数8人)は、ポニーの堆肥を使った野菜作りに取り組んでいる。馬を活用したまちづくりを推進している町地域おこし協力隊の伊藤里恵さんが発案した町では初めての試みで、子供と馬の新しいつながりを構築する。 町には1908年に軍馬補充部川上支部が開設され、日本有数の馬産地として栄えた。100年以上続く乗用馬文化と、雄大な自然を生かし、馬を核とした地域づくりを推進している。昨年6月に地域おこし協力隊として着任した伊藤さんは、国内外で幼稚園教諭として働いた経験があり、馬を通じた幼児教育を模索していた。 そんな中、ひしのみ保育園の園児たちが散歩中、JR塘路駅前の「ファミリーカヌーとうろ」(土佐良實代表)で飼育しているポニー「ポコちゃん」(雄、推定15歳)と触れ合っていることを知った。同園では毎年野菜を育てていることから、ポコちゃんのふんでできた堆肥を利用しようと提案した。 7日、園児たちはポコちゃんを訪ね、お土産の草をプレゼント。堆肥の匂いや固さ、中に居たミミズなどに興味を示しながら、スコップですくってバケツに入れ、園内の畑に運び入れた。 種まきと植栽は18日に行い、園児4人がスナップエンドウとニンジンの種をまき、トマトの苗2株を植えた。じょうろで水をあげ、一仕事終えた子供たちは「楽しかった」とにっこり。このほか、プランターでピーマンを2株育てている。 長濱園長は「子供たちの食育にも大きな影響がある。いつも食べている野菜より別格になるだろう」と目を細めた。伊藤さんは同園の協力に感謝し「この活動を通じて、一人一人が何かしらを感じてもらえれば」と話していた。
釧路新聞