ネット通販が届かない? 「2024年問題」 長距離トラックに同乗し対策を取材 残業規制のドライバーは給料の不安 消費者は「利便性高すぎるから我慢」
雪に覆われた道東道を経由し、走行距離約180キロ。 途中1回の休憩をはさみ、3時間で帯広営業所に到着しました。 荷台を切り離しますが、荷物の目的地はここではありません。 「これは帯広の車がつないで釧路に配達に行きます」(幸楽輸送 山田智也さん) 荷物を最終目的地まで運転手1人で運ぶのではなく、途中で次のトラックに引き継ぐ「リレー輸送」。これも「2024年問題」対策の一つです。
運転手1人で札幌市、釧路間を往復した場合拘束時間は休憩を含め16時間ほど。4月から日帰りができなくなります。しかし、帯広市で荷物をリレーすることで日帰りが可能となるのです。 反対に釧路から運ばれてきた荷物を受け取り札幌市に戻ります。残業時間が減った分、その後恵庭市など3か所に配送する予定です。
「幸楽輸送」では今後積み込みの順番をデジタル化により効率化し、顧客や消費者に影響が出ないようにしたいと考えています。 また、残業が減ることで給料が減ることを心配する運転手も多いことから、賃上げも行いました。 「4月から急激に給与が変わらない対応を考えてきた。基本給も残業に依存しないよう変えていくとか考えている」(幸楽輸送 不動直樹 社長) 一方で、利用する側も意識を変える必要がありそうです。 「今が利便性が高すぎる。我慢しなきゃいけないところ」(街の人) 「しょうがない。運送業者の働き方も改善しなきゃいけないから」(街の人) すぐそこに迫った「2024年問題」 根本的な対策が求められています。
2024年問題 暮らしへの影響
物流の「2024年問題」が私たちの暮らしにどのように影響するのでしょうか。 【影響として考えられること】 ・繁忙期に運べなくなる ・配達が遅れる ・送料・運賃が上がる これらが影響でコストが増加し、物価上昇につながるのではないか懸念されています。
消費者にできること
・確実に受け取れる配達日時を指定し再配達を減らす ・宅配ボックス、置き配、コンビニ受け取りなどを利用 ・まとめて注文する 物流は大きな転換期を迎えています。社会全体の意識改革が必要なようです。
UHB 北海道文化放送
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