定年退職まで「1週間を切った」タイミングで会社が「倒産」…!「退職金」は1円も受け取れないのですか?
会社の倒産により、退職金が受け取れないのではと、心配される方もいらっしゃるでしょう。 しかし会社が倒産をしても、労働者には退職金を受け取る権利があるとされています。 加えて、未払賃金立替払制度の対象者ならば、退職金や未払いとなっている給料の一部を、国に立て替えてもらえる可能性もあります。 今回は、会社が倒産した場合に退職金はどうなるのかについてと、未払賃金立替払制度についてご紹介します。
会社が倒産した場合の退職金の扱いは?
東京労働局によると、会社が倒産したからといって、労働者が受け取るべき給与や退職金を受け取る権利が消滅するわけではない、とのことです。 ただし、退職金が受け取れるか否かは、就業規則や退職金規程などで、あらかじめ退職金に関する取り決めが文書化されている場合に限られます。 文書化されていない場合には、退職金を受け取る権利は認められない可能性が高いでしょう。 本来ならば、退職金を含めた賃金の支払いは事業主が行うべきですが、会社に残された財産が乏しい場合は、すべての労働債権を回収できないケースもあることが考えられます。 そのように、会社の倒産によって賃金を受け取れなかった方を対象に、未払賃金立替払制度を国が実施しています。
「未払賃金立替払制度」とは?
未払賃金立替払制度とは、会社の倒産により賃金を受け取れないまま退職してしまった労働者に、未払賃金の一部を立て替え払いをしてくれる制度です。 以下の条件に該当する方は、未払賃金の立て替え払いを受けられる可能性があります。 ●勤務先が1年以上事業活動を行っていた ●勤務先が法律上または事実上倒産した ●その勤務先をすでに退職している 会社が倒産の手続きをとった場合は法律上の倒産に、労働基準監督署長が倒産と認定した場合は事実上の倒産になるとされています。 法律上の倒産か、事実上の倒産かで申請方法が異なるため、注意しましょう。法律上倒産した場合は、会社が倒産した事実を管財人などに証明してもらう必要があり、事実上の倒産では、労働基準監督署で認定の申請を行う必要があるといわれています。 上記の条件を満たしている場合は、年齢によって上限はあるものの、未払賃金額の8割を立て替え払いしてもらえる可能性があるでしょう。 労働基準監督署や独立行政法人労働者健康安全機構で、未払賃金立替払制度についての相談ができます。 未払賃金立替払制度について不明点などがある方は、お近くの労働基準監督署や、独立行政法人労働者健康安全機構に相談するとよいでしょう。