警察や検事をかたる特殊詐欺 山形市内の60代男性5500万円被害 警察「通信アプリでやりとり・口座開設要求しない」
山形放送
山形市の60代の男性がことし6月から7月にかけて、警察や検事をかたる特殊詐欺の被害に遭い現金およそ5500万円をだまし取られたことがわかりました。県内でことし発生した特殊詐欺の被害では最高額です。 警察の調べによりますと、山形市の60代の会社員の男性はことし6月、「総務省の総合通信基盤局のアキモト」と名乗る男から電話で「あなたの個人情報が悪用されて、多数の被害者がいる」などと言われました。 その後、仙台北警察署の「井口」を名乗る別の男から電話で「あなたの口座がマネーロンダリングに利用されている」、「口座を売った容疑者と疑われている」などと言われました。男性は「井口」を名乗る男と通信アプリのLINEでやり取りとするようになり、数日後、今度は検事の「松本」を名乗る男から「口座がマネーロンダリングに使われているので、資産を凍結する」などと言われました。 そして、警察官を名乗る井口から資産を凍結されないために銀行口座を作るよう指示されました。男性は指示されたインターネットバンキングで新しい口座を開設すると、今度は、その口座に預金などを移すよう指示されます。男性は7月11日から19日までの間に7回にわたって現金あわせておよそ5500万円を口座に送金しました。 送金後、連絡がなくなったことを不審に思った男性が9月に警察に相談し、被害が判明しました。 警察によりますと、ことし県内で発生した特殊詐欺による被害としては最高額だということです。県警は警察をかたって現金をだまし取る手口が増えているとして、警察官が通信アプリでやり取りをしたり、口座を開設するよう要求したりすることは絶対にないとして注意を呼びかけています。