米失業率悪化、FRB望む労働市場の軟化示唆-悪いニュースにあらず
(ブルームバーグ): 米国の失業率が2月に2年ぶりの高水準となった。職を失った人々にとっては痛手だが、労働市場の悲観を示すものではなかった。
労働省の労働統計局(BLS)が失業者と見なすには、その人が積極的に仕事を見つけようとしなければならない。副業をやめて労働力として働こうとする人々、あるいは初めて働こうとする人々が大きく増え、失業率を2022年1月以来の高水準となる3.9%に押し上げた。
まだ健全な雇用創出と緩やかな賃金上昇を合わせると、この数値は連邦準備制度理事会(FRB)が望む種類の労働市場軟化を示唆している。
職を探す人が増えれば、仕事が見つけるまでの時間が少し長くなり得るが、労働力不足が解消され、インフレも緩和されるはずだ。
雇用統計は2つの調査から構成される。一つは企業を対象としたもので、給与と賃金のデータを作成。もう一つは家計を対象とした小規模調査だ。
8日に発表された2月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比27万5000人増となったが、家計調査では3カ月連続の減少で、そのほとんどが若年層に集中。
インディード・ハイアリング・ラボの北米経済調査ディレクター、ニック・バンカー氏は「失業率上昇は周辺部の動きによってもたらされたようだ」と指摘。「現在失業している働き手の再就職率は鈍化しているようだが、引き続きおおむね堅調だ」と述べた。
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原題:It’s Not All Bad News Behind Highest US Jobless Rate Since 2022 (抜粋)
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Molly Smith