“あざとかわいい”と“ぶりっ子”はどう違う?「ホリデイラブ」は脇もすごい
松本まりかもすごいが、中村も、仲の演技も見逃せない
松本は33歳で、女優のほか、かわいい声を活かしてアニメやゲームで声優を務めるなど、幅広く活躍中だ。ゲーム「FINAL FANTASY X」のリュック役はとくに有名で、2005年にはラジオ番組「A&G 超RADIO SHOW~アニスパ!~」内で「アニスパ公認悪女クィーン」にも輝いている。今回の里奈役が、次のステップへの大きな弾みとなるのは必至だ。 その里奈を非情に責め立てるのが、独占欲の強いエリートサラリーマンの渡(中村倫也)で、こちらも逆上した際の尋常ならざるキレっぷりが「もはや怖さを通り越して思わず笑ってしまうぐらい」と評判だ。モラハラ、パワハラの限りを尽くし、第4話では互いの夫婦一堂に会しての話し合いが”地獄の4者面談”などと話題になった。女性視聴者から「怖すぎてかっこいい」と好評で、渡の名場面を集めた動画もネットに公開されている。今後の展開次第では攻守の立場が逆転する可能性もありそうで、目が離せない状況が続く。 そんな際立ったキャラクターを一つの物語としてしっかり引っ張っている仲の確かな存在感も、見逃せない。信じ切っていた夫の不倫に翻弄され続けてきた妻の困惑、哀しみや虚しさ、怒りといったさまざまな感情を見事に演じてきた。ドラマが中盤に差し掛かってきて、自らも不貞行為寸前の非常事態に陥り、それが夫に知れたことで、これから物語はさらに泥沼化が加速しそうだ。 不倫を半ば純愛として正当化するかのように描くドラマも少なくない中、「ホリデイラブ」は浮気されてしまう正妻をヒロインに、夫婦側の純愛と正義が描かれている。これまでの不倫ドラマを嫌っていた層にも、アプローチできそうだ。 (文・写真:志和浩司)