ロサンゼルスの山火事、終息の見通しなお立たず-強風続くとの予報も
(ブルームバーグ): 米ロサンゼルス近郊の山火事は週半ばにかけて乾燥した熱風にあおられる見通しだ。1月中は強風が弱まることはほとんどないとの予報もある。
この地域で発生したやや小規模な火災のうち2件は鎮火に向けて順調に進んでいるものの、最大規模の火災は消防士数千人の奮闘にもかかわらず、12日もほぼ制御不能な状態で猛威を振るっている。 米国各地だけでなく、カナダとメキシコからも消防士がカリフォルニア州に集結し、消火活動に当たっている。
ロサンゼルス市消防局のクローリー局長は12日、記者団に対し、風がいったん弱まったおかげでパシフィック・パリセーズ地区の「パリセーズ火災」の拡大は抑えられたが、避難命令・勧告は依然として発令中だと述べた。
クローリー局長によると、サンフェルナンド近郊の「ハースト火災」では焼失面積が799エーカー(約3.2平方キロメートル)に達したものの、89%は鎮火した。しかし、12日には最大風速が時速50マイル(約80.5キロメートル)に達し、湿度も低い状態が続くと消防士らは予想しているという。
ロサンゼルス郡のロバート・ルナ保安官は住民に対し、被災地には近づかないよう警告。「まるで戦場のような状況で、倒れた電柱や電線があり、まだ火がくすぶっている」場所もあり、「安全ではない」と語った。
避難区域には、超高級住宅街のブレントウッドとベルエア地区のほか、ロサンゼルスでも最も重要な文化施設の一部も含まれている。世界有数の美術品コレクションを誇る美術館ゲッティセンターは火災に耐えられる設計となっているが、それが試される可能性がある。
今回の山火事により11日夜までに16人が死亡した。ロサンゼルス郡アルタデナ地区で発生した「イートン火災」の死者は11人、パリセーズ火災は5人となっている。
ルナ保安官によれば、イートン火災関連で12人、パリセーズ火災では4人が行方不明となっているが、その数は増えると予想されている。また、夜間外出禁止令違反や強盗、略奪の容疑によりイートン火災で約25人、パリセーズ火災で4人が逮捕された。