かわいい「サンサン」油断は禁物 台風10号に香港の少女の愛称 金メダリストへの敬意との情報も
22日午前3時、マリアナ諸島で発生した台風10号。発達しながら北上しており、十分な警戒が必要だ。その名前、「サンサン」が、日本のXで一時、トレンド入りするなど話題になっている。「パンダみたい」「かわいい」といった投稿や「サンサンしていいのは太陽だけ」といったコメントも。そもそも「サンサン」とは、どういう意味なのだろうか。 【画像】今後の「サンサン」の進路は 日本を含む14の国と地域が加盟する台風防災に関する国際機関「台風委員会」は、2000年から北西太平洋域で発生する台風に共通のアジア名を付けている。各国があらかじめ用意した140個の名前があり、発生順に割り振られる。気象庁によると、台風の年間発生数の平年値は25.1個で、おおむね5、6年で一巡することになるという。 今回の台風の名前「サンサン(珊珊)」は香港が提案した名称。香港出身で北海道大学大学院文学研究院の伍嘉誠准教授によると、少女の愛称としてポピュラーという。「詠珊や芷珊、慧珊など、『珊』の字は女性の名前によく使われる。名前の最後の文字を2回繰り返すことで、かわいらしさが出るので、家族や親友が親しみを込めて『珊珊』と呼ぶ」と説明する。 伍准教授が調べた資料によると、この台風の名前は、1996年のアトランタ五輪で香港初のオリンピック金メダリストとなった李麗珊(リー・レイシャン)への敬意を表すためとの情報もある。英語表記は「Shanshan」。広東語の発音では「サンサン」だが、北京語になると「シャンシャン」になるという。 「かわいい」名前だからといっても油断はできない。「サンサン」は、小笠原近海で「強い」勢力となり、27日午前9時には勢力を維持したまま、西日本から東日本の南の海上へ進む見込み。今後の進路や台風情報に十分な注意をしてほしい。