【霞む最終処分】(18) 第3部 決断の舞台裏 中間貯蔵 根拠なき期間 「30年」あくまで目標
中間貯蔵施設は県と大熊、双葉両町の受け入れ容認を経て整備され、2015年3月に除染土壌などの搬入が始まった。2023(令和5)年末時点で運び込まれたのは約1375万立方メートル。東京ドーム11個が満杯になる量だ。環境省は、このうち4分の3は放射性物質濃度が比較的低く再生利用できるとしている。だが、実現に向けた県外での実証事業は住民の反発で頓挫したままだ。 細野は「再生利用は福島の復興のために絶対に乗り越えなければならない壁だ」と訴え、政府の責任で進める必要があると指摘する。「当初から携わってきた自分は当事者だ。結果を出すため最後まで関わり続けなければならない」と自らに言い聞かせた。(肩書は当時、敬称略)