神戸のホテル フードロス削減対策は“食べ残しの持ち帰り” 容器にもこだわり
神戸・ポートアイランドにある神戸ポートピアホテル(神戸市中央区港島中町)が、10月からフードロス削減の一環として、環境省が提唱・推進する食べ残しの持ち帰り行為の取り組み=「mottECO(モッテコ)」の導入を始めました。そのきっかけや、利用客の反応などについて、担当者に話を聞きました。 家計調査で4年ぶりに1位を奪還 港町・神戸でよく買われる“食”とは 利用客の自己責任で『食べ残しを専用の容器に入れて持ち帰る』という、「mottECO」の取り組み。神戸ポートピアホテルでは、レストランや宴会場などで実施されており、容器1箱あたり250グラムのゴミの削減につながっているといいます。 その容器について、レストランでは有料(1箱50円)で販売するも、宴会場では無料で幹事に提供して持って帰ってもらうシステムを採用。なお、夏季(6月~9月)は食中毒の危険性があるため実施していません。また、ブッフェ形式や食べ放題は対象外で、持ち帰ることができるメニューも“火がきちんと通っている料理”に限定されています。 以前から、同ホテルではレストランなどでの“食べ残し”が問題視されていました。SDGs推進委員会で対策を話し合うなか、「今年の夏前ぐらいに、『お客様に食べ残しを持ち帰っていただくことで、フードロスを減らせるのではないか』という案が挙がりました。その後、『mottECO』の導入を検討し、進めていきました」と話すのは、神戸ポートピアホテル広報の川中佑一さん。 導入にあたって苦戦したのは、容器素材の選定。川中さんは「プラスチックで作られたものが多く、環境に配慮した容器を見つけるのに時間がかかりました」と振り返ります。熟考の末、採用が決定したのは、“バガス”という、さとうきびの搾りかすを使用した紙の容器。水に浸けると分解されるため、海中に残らず地球に優しい素材として注目されているものです。 レストランや宴会場で先月から40件ほどの利用があったそうで、お客さんからも好評の声が挙がっているそう。川中さんは「お客様は『持ち帰って、料理を楽しむことができる』、私たちは『ゴミを削減できる』という、両者ともにメリットがある取り組みだと思います」とコメント。今後は店頭の表示などから、さらに活動の認知を広めていきたいと述べます。 最後に、川中さんは「これまでも、敷地内での養蜂や、発電設備(コージェネレーションシステム)の設置など、SDGsに関する取り組みをホテル全体で進めてきました。今回始まった『mottECO』はその中でも特に“お客様に伝わりやすい”アクションだと思います。今後も積極的にPRをしていきたいです」と意気込みを語っていました。 (取材・文=長塚花佳) ※ラジオ関西『Clip』水曜日 「トコトン兵庫」より (2024年11月20日放送回)
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