森雅子元法相、還流金仕組み「知らなかった」 参院政倫審で釈明
18日は衆参両院で政倫審が開かれ、裏金事件に関係した計11人が弁明した。参院政倫審に福島県関係では旧安倍派の森雅子元法相(福島選挙区)が出席した。政治資金パーティー券販売を巡り、森氏は2007年の初当選直後に同派に入会した頃から「ノルマがあるのは知っていた」と述べたが、ノルマ超過分を還流する仕組みは「知らなかった」と釈明した。 与野党の質問者からは、弁護士や法相の経験がありながら還流金を政治資金収支報告書に記載しなかった森氏の姿勢に苦言が相次いだ。 森氏が還流金を受けていたと確認したのは、23年12月に「問題が報道されてから」と説明。22年4月に当時会長だった安倍晋三元首相が資金還流の中止を指示した後、旧安倍派の参院側トップだった世耕弘成氏(現衆院議員)から「『今年はノルマ分を売ればいい』との電話があった」と明かしたが、当時も還流の仕組みは把握していなかったと主張した。 派閥から森氏への還流金は計282万円。参院政倫審は今年5月に不記載があった関係議員に出席を求めると議決したが、森氏は応じなかった。 森氏は「(還流の経緯を)何も存じ上げず、答えられないと考えた」と弁明。3月に県庁で記者会見を開いたことで「説明を尽くしたと当時は判断した」とも述べた。ただ、政治不信が根強い現状を実感し、今回の政倫審への出席を決めたとした。 還流金については、秘書が派閥事務局から現金で受け取っていたが、森氏は「報告を受けていなかった」と説明した。
福島民友新聞