『極悪女王』剛力彩芽「撮影後、ライオネス飛鳥さんからは『彩芽ちゃんにやってもらってよかった』と」
Netflixの凄み
ーーそのへんがNetflixの凄味ということになるのかもしれません。 剛力 半年間の準備期間といっても、「明日から勝手にジムで鍛えてください」という話ではなかったですからね。道場も用意してくださって、現役選手の方が手取り足取り教えてくださって、合同練習も毎週ずっとやり続けていて……。演じる側としては、役作りに集中できますよ。本当に恵まれていたと思います。 ーーちなみに実際にライオネス飛鳥さんとお話は? 剛力 実は撮影中は一度もお話していないんです。撮影が終わってからは、何度かお会いしているんですけどね。そのときは「彩芽ちゃんにやってもらってよかった。すごく私に似ていたよ」と言っていただけました。正直に言うと、撮影中に飛鳥さんにご連絡して、どういう気持ちでリングに上がっていたのか伺おうかと考えたこともあるんです。でも、あえてそれはしなかったんですよ。 ーー“あえて”というのは? 剛力 あくまでもこの作品の主人公はダンプ松本さん。もちろんクラッシュの2人もすごく重要な役回りではあるんですけど、飛鳥に関しては“長与千種から見たライオネス飛鳥像”というのが大きなポイントになってくるので。実際に隣で長く時間を過ごしてきた長与さんから「飛鳥はね、1を伝えたら10を理解する人なの」といった細かいエピソードをたくさん教えていただいて、それを演技に反映させるようにしました。 ーーなるほど。非常に説得力のある演技でした。 剛力 クラッシュ・ギャルズ関係の本も何冊か読ませていただいたんですけど、なんとなく飛鳥さんと私って似ているところがある気がしたんですよね。飛鳥さんはプロレスに対してものすごく真面目でまっすぐな方。自分で言うのもアレなんですけど、私も物事を真剣に考えすぎる傾向が昔からあって……。だから一方的にではあるんですけど、勝手に飛鳥さんに親近感を覚えていたんです。それもあって、ご本人にご連絡しなかったんですよね。「よし。今回はこれでいこう!」と自分の中で固めたライオネス飛鳥像で勝負することにしました。 PROFILE◎ごうりき・あやめ 1992年8月27日生まれ、神奈川県出身。2008年から雑誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルを務め、2011年にドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』で本格的に俳優デビュー。以降、ドラマ、映画、舞台、CMなど幅広く活躍。 4度目の上演となる舞台「No.9-不滅の旋律-」が12月21日より開演。 ▽『GaiXer presents剛力彩芽は未来を編む』(ニッポン放送) 毎週土曜日16:50~17:20。過去の成功パターンが通用しにくい現代において、未来を描き、具現化するための新たな思考法やスキルを習得する機会を提供するプログラム。過去の知見と最新のAIを組み合わせて、社会のために何ができるのかを考えていく。 【後編】『極悪女王』剛力彩芽「リングで感じたプロレスというジャンルの奥深さと役者との共通点」は下の関連記事からご覧ください。
小野田 衛