８回１死二塁、左前適時打を放つ北海・長谷川駿太（カメラ・島山　知房）

◇高校野球春季北海道大会　▽準々決勝　北海３－１旭川実（２５日・札幌円山） 　準々決勝３試合が行われた。４季連続道大会（夏は南北海道大会）優勝を狙う北海は３―１で旭川実を下し、２年連続の４強入り。７番・長谷川駿太三塁手（３年）が、プロ注目の最速１５１キロ右腕・田中稜真（３年）から適時打を放つなど２打数２安打１打点で打線をけん引した。クラークは、延長１０回タイブレークの末に駒大苫小牧に勝利。東海大札幌は７回コールドで釧路江南に勝利した。準決勝は２７日に行われる。 ＊＊＊ 　北海の“フィッシュボーイ”が大物グイッだ。８回１死二塁。長谷川は、大会屈指の好投手・田中と対峙（たいじ）した。今春のセンバツから２センチ長くした８４センチのバットを短く持ち、内角高めの変化球を強振。打球を左翼線にはじき返し、二塁走者がダメ押しのホームを踏んだ。「思わず出ちゃいました」と、チームで禁止されているガッツポーズで喜びを爆発させた。 　この日は第１、２打席で犠打を成功させ、第３打席は田中の直球を捉えて左前安打を放ち、２打数２安打。好調が続く背番号「５」に対し、平川敦監督（５３）は「頑張って結果を残してくれている。このまま継続して結果を残してくれれば」と期待を込めた。 　「（今大会で）活躍できなかったら引退」。夏にベンチ入りメンバーから外れる危機感を持って臨んでいる。昨夏の甲子園で先発出場するなど下級生の頃から公式戦経験を積んできたが、昨秋全道は途中出場１試合のみ。大阪桐蔭と対戦したセンバツでも代打で三振に倒れ「一振りで決めないといけないと感じた」。帰道後は課題の確実性を高めるために、フリー打撃で初球を仕留める練習に注力。２試合連続スタメン起用された今大会は甘い球を見逃さず、計５打数４安打とアピールを続けている。 　北海道西部の港町・余市町出身。祖父が漁師だった影響もあり、幼い頃から毎日のように魚料理が食卓に並び「（好物の）魚でできている」という肉体が自慢だ。チーム一のベンチプレス１２０キロを誇る怪力は「次もスタメンで出る覚悟はできている」。次戦は準決勝・東海大札幌戦。夏のレギュラー奪取に向け“大漁”のヒットを打ちまくる。（島山　知房） 　〇…クラークは駒大苫小牧に８－６（延長１０回タイブレーク）。５番・福田晃大中堅手（３年）が決勝打を放った。１０回２死二、三塁。「前に突っ込んでいたので、後ろに体重を残して打て」と、佐々木啓司監督（６８）から指示を受けて打席へ。内角低めの直球を流して左前にはじき返した。昨秋は背番号「１２」だったが、オフに１日５００～１０００スイングを振り込み、今春は「８」を背負う。同校史上初の春全道制覇に向け「決勝まで行って、優勝したい」と力を込めた。 　〇…東海大札幌は釧路江南に１０－３（７回コールド）。３番手の最速１４１キロ左腕・矢吹太寛投手（２年）が３回無失点で相手の流れを食い止めた。２点差の５回からマウンドに上がると、３連続四球で２死満塁となったが、５番打者から三振を奪ってピンチを脱出。６、７回は３者凡退に抑え、コールド勝ちを呼び込んだ。昨秋の全道決勝・北海戦は３番手で登板し６失点。再戦となる準決勝に向け「絶対にリベンジする」と闘志を燃やしていた。