中国EVメーカーが破産申請 ヒューマン・ホライゾンズ資金難、HiPhi(ハイファイ)親会社
欧州進出の夢破れる
中国の高級EVブランド、HiPhi(ハイファイ)の親会社であるヒューマン・ホライゾンズ(華人運通、Human Horizons)が破産を申請した。事業拡大のための資金集めに失敗した。 【写真】奇抜スタイルで攻めまくった中国高級EV【HiPhi X/Y/Z の3車種を写真で見る】 (38枚) 破産申請は8月8日、中国・塩城市の経済技術開発区の裁判所によって正式に発表された。同社は2024年2月に事業再編の一環として、HiPhi X、Z、Y の3車種のEVの生産を一時停止していた。 ヒューマン・ホライゾンズは、パンデミックの影響による販売不振とサプライチェーンの逼迫による生産コストの増加を受けて、再編と合弁事業パートナー探しを進めていた。第一汽車や長安汽車とのハイレベルな協議を行ったことが報じられているが、事業を存続させるために必要な投資を集めることができていない。 HiPhiのブランド名の権利をはじめ、ヒューマン・ホライゾンズの事業は第三者に買収される可能性がある。しかし、この件に関するいかなる決定も、今後は中国の裁判所が行うことになる。 裁判所の声明にはこう書かれている。「(ヒューマン・ホライゾンズの)資産はすべての負債を返済することはできないが、再編の価値と可能性はある」 ヒューマン・ホライゾンズは2017年、中国自動車業界のベテランであるディン・レイ氏によって設立された。2020年には、初の市販モデルであるHiPhi Xを中国のEV市場に投入した。 Xは全長5200mmの電動SUVで、大胆なスタイリングとガルウィングのサイドドアが特徴的だ。Xは合計出力600psのツインモーターを搭載し、0-100km/h加速3.9秒、最高速度200km/hを誇る。97kWhの駆動用バッテリーにより、中国のCLTCテストサイクルで550kmの航続距離を実現した。 HiPhiは2023年に欧州市場に参入する計画を発表し、XはドイツのTUVから乗用車のホモロゲーション認可を受けていた。しかし、今年2月にセダンのZ(写真)、SUVのYとともに生産停止となった。
グレッグ・ケーブル(執筆) 林汰久也(翻訳)