「こんなアンフェアなことが許されるのか!」選挙に取り憑かれた“絶滅危惧種ライター”に引退撤回を決意させた、ある国政政党とのバトル【映画『NO選挙,NO LIFE』公開記念鼎談】
畠山理仁×水道橋博士×前田亜紀#2
近ごろ「政治」「選挙」を扱ったドキュメンタリー映画が活況だ。数年前なら考えもしなかったことが、いまや大きな台風に化けようとしている。そこで今回、前田亜紀監督の『NO選挙,NO LIFE』公開に際して、同作の主人公にして「絶滅危惧ライター」と呼ばれる畠山理仁氏、彼をよく知る水道橋博士と前田監督の3人で、映画のバックストーリーを語り尽す。(#1・#2) 【画像でみる】映画『NO選挙,NO LIFE』の制作秘話
水道橋博士の議員辞任
前田亜紀(以下、前田) 博士は昨年、参院選に出られて「楽しかった」と話していましたが、選挙戦じたいはハードで大変だったと思うんです。その中で「楽しい」というのは? 水道橋博士(以下、博士) 選挙カーで「毎度おなじみの、“与党交換”に参りましたー」とアナウンスしたり、マイク持って麻生さんや安倍さんのモノマネしたりして、文化祭のようにみんな面白がってくれていたから。 前田 でも、票のプレッシャーは? 博士 ぜんぜん。選挙に出た目的として松井一郎氏との裁判を世の中に知らしめるというのが先ずあって。自分は受かるわけないと思ってやっていましたから。 前田 畠山さんは博士の現場も取材されていたんですよね。 畠山理仁(以下、畠山) はい。大阪で。 博士 あのときボクは「終わったら(僕の政策秘書を)ヨロシクお願いします」という気持ちだったから。というのもボクが議員辞任に至ったのは政策秘書のことが大きかったから。 畠山 えっ、そうなんですか? 博士 れいわ(新選組)の山本太郎代表のところの政策秘書は学者さんとか政治活動を積んできた人で、政策立案もできるし国会答弁もできる。だけどボクのところはことごとく意見が嚙み合わず―― 前田 では、畠山さんが要請を断ったのが議員辞職の一因に? 畠山 だけど僕がもしもなっていたら、議員辞職はさらに早まったかもしれないですよ(笑)。 博士 でも、畠山さんなら、「こういう政策を立案しませんか。そのために三日三晩一緒に徹夜しましょう」とかって言うでしょう。そういう人でないとボクはダメなんだ。