福島県JR大野駅周辺の街並みをジオラマで再現 関西学院大3年の熊谷朋也さん 町に寄贈、記憶の継承に役立てて
関西学院大法学部法律学科3年の熊谷朋也さん(21)は、福島県大熊町のJR大野駅周辺の街並みを再現したジオラマを制作した。現在、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの新たなまちづくりが進む地域の記憶の継承に役立ててもらう。熊谷さんはジオラマを町に寄贈した。 熊谷さんは宮城県大崎市出身。小学1年生の時に震災を経験した。大学在学中に、復興支援活動をしている神戸市の建築士曺弘利(チョ・ホンリ)さんに出会い、震災の伝承活動に関心を抱いた。 活動の一環として、ジオラマ制作に励んでいる。曺さんの支援を受けながら、これまでに双葉町の街並みを実際に歩き、作品に仕上げた。今回のJR大野駅周辺は、商業施設や産業交流センターなど新しい施設の整備が進む。変わりゆく地域の姿を残そうと、8月から約1カ月かけ、木材などを使って約千分の1サイズに再現した。 熊谷さんは大熊町役場本庁舎で島和広副町長にジオラマを手渡し、「『大熊にはこんな姿があったんだ』と伝える力に少しでもなればうれしい」と述べた。
(相双版)