麻布台ヒルズから皇居三の丸尚蔵館まで、世界も注目する東京の最新ギャラリー&美術館8選
築70年のビルに入居するギャラリーから高層ビル内のスペース、国宝が並ぶ美術館まで。ウェブ版『美術手帖』編集長の橋爪勇介が、東京の最新アートスポットをナビゲート。 【写真多数】東京の最新ギャラリー&美術館 記事の画像をすべて見る
ウェブ版『美術手帖』編集長 橋爪勇介 1983年、三重県生まれ。立命館大学国際関係学部卒業。美術出版社に入社後、ウェブ版『美術手帖』の立ち上げに携わり、副編集長を経て2019年より現職。
<麻布台ヒルズが発信する、都市生活の中のアート体験>
「“体験”が重視されるいま、アートはコンテンツとしてなくてはならない存在になっています」 ウェブ版『美術手帖』編集長の橋爪勇介は、近年相次いで開業した巨大複合施設のギャラリーや美術館についてこう語る。今秋、京橋にオープンする戸田建設の高層ビル内にも、小山登美夫ギャラリーなどが入居するギャラリーコンプレックスが誕生予定。アートへの関心はますます高まっている。そんななか話題になっているのが、世界8都市に拠点をもつアメリカのギャラリー、ペースの麻布台ヒルズへの進出だ。 「世界の主要都市と比べると、東京のマーケットは弱いのですが、なぜそれでも来るのか。ペースのCEOに取材すると、ポテンシャルが高いから、と。東京は文化にどっぷり浸かることができ、訪れたいと思わせる魅力がある。そういう場所に拠点をもつのはステータスにもなるのです」 橋爪は、東京の文化を支えているのはそこに住む人々の感度の高さだ、と考えている。 「東京は古美術から現代美術まで扱うギャラリーや美術館が無数にあるミュージアムシティ。銀座には古いビルの一室にあるような画廊が点在していて老舗も多い。小粒なものから大規模施設まで、アートスポットは増え続けている」 あらゆるアートが身近な環境を楽しまない手はない。
【麻布台】麻布台ヒルズギャラリー
アートからエンターテインメントまで、人と文化をつなぐ新スペース 「近年オープンしたアートスポットの中で間違いなく話題性が高い」と橋爪も注目する麻布台ヒルズ。文化施設の展開に力が注がれており、その中核となるのが麻布台ヒルズギャラリーだ。こけら落としは環境や社会に強い関心を寄せた作品で世界的に知られるオラファー・エリアソンの個展。麻布台ヒルズ内の日本一の高さを誇るビル、森JPタワーにもパブリックアートとして彫刻を設置したことから企画された。今後ギャラリーではファッション、音楽、エンターテインメントなどのイベントも開催予定。今春開業のギャラリー、ペースなど、麻布台ヒルズに出店するアート施設とも連携していく。