ヒューマン 横浜流星、5日スタートのNHK大河「べらぼう」で江戸のメディア王・蔦屋重三郎を熱演 渡辺謙に授かった演技金言『とにかく真っすぐ全力で』
蔦重は誰もが知る偉人ではないが、企画やプロデュース、営業まで全てを担った多才な人物で「彼の一番の魅力は『自分ではなく誰かのために動ける』ところ。自分もそういう人間でありたい」とキッパリ。「江戸のメディア王」の異名を持つが、自身に付けたい称号はないといい、「王になったらそれで終わってしまうので。王にならず高みを目指したい」と研鑽を誓う。
行動力のある出版王の生き方には「学びが多く、背中を押してもらっている」という。普段はプロデュースされる側だが、自身も昨年10月に高校の同級生であるTHE RAMPAGE・岩谷翔吾(27)の作家デビュー作「選択」の原案を手がけた。
「今後、企画・プロデュースに興味があって、出版した『選択』を映像化したいと思っています」
作り手としてかなえたい夢がある。後進たちの働きやすい環境を作るためにプロデュース業も行う俳優、山田孝之(41)の名を挙げ、「先輩たちが自分たちのために動いてくれている姿を見て、自分もこれからの世代のために役者がやりやすい環境を作りたい。大きな野望です」と秘めた思いを明かした。
「蔦重から教わって、また一つ人間としても成長したい。完走した後の自分に会うのが楽しみです」
横浜流星の物語はまだ始まったばかりだ。
★物語
人口100万人を超え、大都市へ発展した江戸。吉原の貧しい庶民の子に生まれた蔦屋重三郎(横浜)は、幼くして両親と生き別れ、引手茶屋の養子となる。血のつながりを超えた人のつながりの中で育まれた蔦重は、貸本屋から身を起こし、書籍の編集・出版業を手がけるように。折しも、時の権力者・田沼意次(渡辺)が創り出した自由な空気の中、江戸文化が花開き、蔦重は文化人らと交流を重ね、「黄表紙本」という挿絵を使った書籍でヒット作を連発。〝江戸のメディア王〟へと成り上がっていく―。
■横浜 流星(よこはま・りゅうせい)
1996(平成8)年9月16日生まれ、28歳。神奈川県出身。小学6年のときにスカウトされ、芸能界入り。2012年にテレビ朝日系「仮面ライダーフォーゼ」でドラマ初出演。その後はTBS系「初めて恋をした日に読む話」、日本テレビ系「あなたの番です」など話題作に多数出演。20年には「愛唄―約束のナクヒト―」などで日本アカデミー賞新人俳優賞、23年には「流浪の月」で同優秀助演男優賞を受賞。特技は極真空手(初段)。