松潤ら旧ジャニーズから既に5人出演も…木村拓哉が大河ドラマに起用されない謎を解く
日本アカデミー賞で起こった出来事
これまで、旧ジャニーズ所属タレントで大河の主役へ抜てきされたのは、「琉球の風」(1993年)の東山紀之(57)、木村と同じ元SMAPメンバー・香取慎吾(47)の「新選組!」(2004年)、さらに、元旧ジャニーズ副社長の滝沢秀明(42 )の「義経」(05年)、岡田准一(43)の「軍師官兵衛」(14年)、そして昨年、松本潤(40)が抜擢された「どうする家康」の5人(本木雅弘は98年の「徳川慶喜」に主演しているが、当時はジャニーズを退所していた)。 「木村さんはキャリアも実績も、この5人にはまったく劣っていません。さらに、SMAP時代はほぼ毎年、大みそかの紅白に出場してNHKへの貢献度もそれなりにあります。しかし、なぜかお声がかからないのです」(ベテラン芸能記者) 木村は時代劇への出演はあるものの、メインは現代劇である。基本的に、これまでの大河は実在した人物を主人公にして、史実を元に描かれる時代劇がメイン。正直、現代劇にハマりまくっていた木村がその主演を務めるというイメージを描くことはあまりできなかった。 「SMAP時代からの木村さんの戦略は、ドラマで主演を務め、作品が話題になって新たなCMオファーが来る――ということの繰り返し。そのため、旧ジャニーズの中で唯一、完全歩合制の給与体系だったSMAPのメンバーの中でも、CM効果もあり稼ぎも多かった。最近のテレビドラマ撮影は、トータル3カ月ほどが基本です。ところが、大河となると、放送前年の夏ごろから1年から1年半もの長い拘束になります。今後、名前を売りたい俳優ならば、大河でステップアップを果たせますが、木村さんはこれ以上、知名度を上げる必要はありません。民放よりも拘束時間が長い割にギャラが安い大河には“色気”を見せなかったのではないでしょうか」(同) その木村が、映画で初の時代劇主演作となったのは、06年に公開された山田洋次監督の「武士の一分」だった。 同作は興行収入41.1億円を記録するヒット作に。当時の木村の勢いからすれば、物足りない数字に思えるが、それなりに評価を受けていたにもかかわらず、何とも後味の悪い出来事が起こってしまったのだ。 「チーフマネジャーのIさんが、木村さんに関しては、何事も『ナンバーワン』でなければ納得せずという方針なので、最優秀賞が獲得できなかった場合を危惧したのか、『第30回日本アカデミー賞』の最優秀賞候補である、5人の優秀主演賞を『賞レースには参加しないという事務所の方針』として辞退してしまったのです。前代未聞の出来事で、映画業界の関係者たちはすっかりあきれ果ててしまいました。結局、その年の最優秀賞は『明日の記憶』の渡辺謙さんが受賞しましたが、正直、木村さんにとっては“負け戦”になったでしょう。『武士の一分』で共演した笹野高史さんが最優秀助演賞を獲得したこともあって、すっかり木村さんの演技はかすんでしまいました」(映画ライター)