キャプテン翼の「平和宣言」 この世界から戦争をなくしたい 戦うならサッカーで! 広島の新サカスタから発信
43年前の高校時代、雑誌連載が始まった漫画に魅せられた。「キャプテン翼」。サッカーを愛する少年、大空翼が静岡の架空の街で成長する。丘の上から蹴ったボールが大空を舞い、後に盟友となるGK若林の胸に。最初の名場面の躍動感は色あせない。 【写真】エディオンピースウイング広島に設置されたキャプテン翼壁画(9枚) 「ボールはともだち、こわくないよ」。翼の言葉に励まされ、サッカーを始めた少年少女が競技の裾野を広げたのは間違いない。全国へ、世界の舞台へ。翼の物語の後を追うように今や日本選手たちが海外で活躍する。 スポーツ界を動かした漫画が、広島市中区に開業した「エディオンピースウイング広島」の壁面に登場した。作者高橋陽一さんの描き下ろし。成長した翼が「サッカー世界平和宣言」を広く発信する。 翼の力強いせりふには共感した。「ボクはこの世界から戦争をなくしたい!」「戦うなら正々堂々サッカーで戦おう!」。被爆地のサッカーの聖地が文字通り、平和の翼となればと願う。 世界50カ国以上で愛される「キャプテン翼」。翼は今では欧州のプロ選手だ。漫画の連載は4月で終わるが、高橋さんは物語の構想を続けるそうだ。世界中が友達に―。祈りを胸に、このスタジアムで躍動する場面も見てみたい。
中国新聞社