廃校になった元中学校、J2レノファ山口ユースとレディースチームの練習拠点に クラブハウスは元校舎、トレーニング機器も整備 山口市
人工芝のグラウンドが山あいに広がる。クラブハウスになった元校舎の向こうから西日が差し、長く伸びた選手たちの影が慌ただしく動く。 【動画】J2レノファ山口ユースとレディースチームの拠点になった旧八坂中 山口市徳地船路のやまぐちサッカー交流広場。旧八坂中を一部改修して再利用した施設は、J2レノファ山口のユースとレディースチームの練習拠点となった。一般の人も事前予約すれば利用でき、地域住民も憩う。 サッカー場としてのオープンは2010年。06年3月に廃校となった八坂中の敷地に市が200人分の観客席付きグラウンド1面を5億3千万円かけて整えた。クラブハウスはトレーニング機器も備え、体育館も使える。平日は主に夕方からレノファが使用。一般利用が中心の休日は、子どもから大人まで幅広い世代がボールを追う。 市北部の徳地地域は人口約4600人、高齢化率55・63%。広場は地元のNPO法人八坂地区むらづくり協議会が指定管理者として運営を担う。 協議会は廃校活用の検討のため07年に発足し、県サッカー協会とも協議して広場の整備につなげた。「夜も照明に照らされ、休日は多くの人で活気づく」と河村幹圭理事長(52)。中国自動車道徳地インターチェンジから車で10分と市外からのアクセスも良く、22年度の利用は体育館を含め約3万2千人に上った。 現在、クラブハウスなど施設の改修が進められている。観客席側にあるカフェも休業中だが、工事の終了に合わせて5月ごろ再開し、土曜と月曜に営業予定だ。レディースチームの赤嶺将太監督(27)は「選手が地元の人に新米をいただくこともある。皆さんの支援が励みにつながる」と言う。生まれ変わった学びやが「地域密着」を掲げるチームと住民に活力を生んでいる。
中国新聞社