<一貫の春>広島新庄、闘志に点火 「全員で勝ち上がる」(その2止) /広島
<センバツ2020> 接戦に強い広島新庄が、甲子園への切符を手にした。昨秋の県大会は初戦と準決勝を延長の末に制し、尾道商との決勝は圧勝。中国地区大会の準決勝で倉敷商(岡山)との延長戦には敗れたものの、終盤に2点差を追いつく粘りを見せた。 迫田守昭監督(74)が掲げるのは、投手を中心とした守り勝つ野球だ。投手はタイプの異なる左腕2人。力投型の秋田駿樹投手(2年)は県大会決勝で完投。秋山恭平投手(1年)はコントロールに優れ、中国地区大会で3試合に先発した。 打撃陣には、つなぐ意識が浸透している。県大会決勝でチームが放った13安打のうち長打は1本だけ。下志音主将(2年)、野崎愛斗選手(同)、明光竜之介選手(同)のクリーンアップによる6安打で圧倒した。下主将は中国地区大会で2本塁打を放ち、パンチ力も秘めている。 学校のある北広島町は中国山地の懐に抱かれ、冬には雪も降る。6年ぶりの大舞台に向け、下主将は「冬場は限られた練習しかできないが、良いパフォーマンスを発揮できるよう頑張りたい」と意気込む。迫田監督は「全員で力を合わせて勝つのが信条。選手たちの考えを一つにして総合力で勝ち上がりたい」と語った。 ……………………………………………………………………………………………………… ◆学校プロフィル ◇14年に初の甲子園 芸北地方を治めた戦国武将の吉川元春を顕彰し、地元有志が1909年に創立した私立校。女学校と旧制中学が前身で、太平洋戦争終結後の学制改革で48年に共学の高校となった。現在の生徒数は420人で、元春の信条とされる「至誠一貫」などを校訓に掲げる。 28年創部の野球部は戦後に軟式の時期もあったが、72年に硬式へ復帰した。甲子園は2014年のセンバツで初出場。15、16年は夏の選手権大会に連続出場した。プロ野球に進んだOBに、永川勝浩さん(元広島)、田口麗斗さん(巨人)、堀瑞輝さん(日本ハム)がいる。 ソフトテニス部や吹奏楽部なども全国レベル。北広島町新庄848(0826・82・2323)。 ……………………………………………………………………………………………………… ◆対戦成績 <秋季地区大会>2019年8月 広島新庄 11―0庄原格致(18日) 広島新庄 11―2油木(22日) 広島新庄 20―1加計(24日) 広島新庄 18―3吉田 (31日) <秋季広島県大会> ◇2回戦=9月15日、みよし運動公園野球場(三次市) 広島商 0000003100=4 0100000031=5 広島新庄(延長十回) ◇3回戦=9月28日、コカ・コーラボトラーズジャパン野球場(西区) 呉 020010000=3 05100000×=6 広島新庄 ◇準々決勝=9月29日、みよし運動公園野球場 広島新庄 42400=10 00000=0 広島国泰寺 (五回コールド) ◇準決勝=10月5日、みよし運動公園野球場 広島新庄 00011310011=17 500000001 0=6 盈進(延長十回) ◇決勝=10月6日、みよし運動公園野球場 広島新庄 003030102=9 002000100=3 尾道商 <秋季中国地区大会> ◇1回戦=10月27日、コカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク野球場(鳥取市) 広島新庄 000010200=3 001000000=1 八頭(鳥取) ◇準々決勝=10月28日、コカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク野球場 広島新庄 200030000=5 000000004=4 高川学園(山口) ◇準決勝=11月2日、どらドラパーク米子市民球場(鳥取県米子市) 倉敷商(岡山) 10201000003=7 01010002000=4 広島新庄(延長十一回) ……………………………………………………………………………………………………… ◇広島新庄校歌 作詞 日高只一 作曲 山田和男 室町の世を日野山に いさをもしるく照らしける すぐれし人のあと仰ぎ 建てし学舎栄あり 我等はここに精進し 高き理想に励まなん