優勝のみを求められて再登板した原監督やけど、しっかりと答えを出したよ【岡田彰布のそらそうよ】
巨人優勝予想の根拠は原監督の再登板やったから
「優勝」の2文字だけを要求されて再登板した原監督[中央]やけど、それを見事にやってのけようとしているのはスゴイことよ/写真=小山真司
カウントダウンというか。多分、この1週間の中で、巨人の優勝は決まっているんやろね。パ・リーグは西武が有利も、どっちに転ぶか分からん状況やと思う。 「優勝」──。この2文字のために1年間、戦ってきた。クライマックスシリーズという制度はあるけれど、やっぱりリーグ優勝というのが最大の目標。CSは、なんか、“オマケ”といった感覚が監督時代のオレにはあった。春のキャンプから始まり、10月までの9カ月間。優勝のために……がすべてやった。 2005年、阪神は優勝できた。決して順風満帆ではなかった。中日、巨人との競り合い。監督として、どう導けばいいのか、けっこう悩んだもんよね。軌道に乗り、優勝への道筋が見えたときに、あるコーチが「優勝できるぞ」みたいな言葉を発し、選手を鼓舞したつもりやったようだ。オレはカチンときた。軽々しく「優勝」を口にしてはアカン。選手に意識させるな。それくらいデリケートにならないと、優勝はつかめない。だからオレはそのコーチを呼び、怒ったわ。 勝負どころの9月、10月。ホンマ、体調はギリギリやった。遠征先ではホテルの部屋にこもりっぱなし。食欲がない。それでも何か口にしないと、とマネジャーが軽いものを用意してくれた。それを食べるが、少ししたら気分が悪くなって、もどしてしまう。そんな姿を誰にも見せるわけにいかない。タオルでふき取る……。こんなことが何度もあった。 今、巨人・原(原辰徳)監督のことを考える。今シーズン、最もプレッシャーを感じた監督やったはずよ。2014年を最後に、巨人は優勝から遠ざかる。4年間のV逸……。もうこれ以上は許されない。2019年シーズンは優勝しかない。巨人軍の宿命。それを託されたのが原監督だった。2年後、3年後を見据えてなんて余裕はない。この1年で答えを出す。その答えとは「優勝」。原監督はこの2文字を突きつけられていた。 それでもオレは・・・
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週刊ベースボール